第5話
ある日、リンと森に来ていた。
リンにどれくらいの戦闘力があるのか確認したかったのだ。
3匹でうろついているゴブリンがいたので、2体をサクッと処理した。あとはリンにおまかせだ。
『いくぞー』
リンがピョンピョン跳ねながらゴブリンに近づいていく。
ゴブリンは棍棒のようなものを持っており、リンに殴りかかってきた。ポヨンと音がするような感じで、棍棒は跳ね返されていた。どうやら衝撃耐性は高いらしい。そうするとゴブリンにとってはリンにどうやってもダメージ与えられないってことだな。
『いたくないー』
リンは体から触手のようなものを伸ばしてゴブリンの腕を飲み込んでしまった。ゴブリンの腕は泡立っており、シューと音がなっているような感じで溶かされているようだ。なんとも酷い攻撃方法だ。
リンは何本も触手を伸ばし、どんどんゴブリンを飲み込んでいく。最終的にゴブリン全体がリンに取り込まれてしまった。
『おいしくないー』
5分ほどでゴブリンだったものは魔核を残して溶かされてしまった。
リン、のんびり屋なのに恐ろしい子。
-------------
ファングボアを見かけたので、リンにまかせてみた。
「後で肉を持ち帰りたいから体は残しておいてね」
『わかったー』
「ブフゥー」
声を上げながらファングボアが足を土を蹴って突進してきた。リンは体をビョーンを広げて待ち構えていた。
突進のタイミングで、ちょうどファングボアの頭をまるごと包みこむように丸まったようだ。ファングボアはパニックになって暴れるが、頭をリンに飲み込まれた状態を解除することができなかった。
そして5分ほどで頭を溶かしきった。リンはなかなか強いということが判明した。
-------------
毎日、リンに魔力を渡している関係でどうやら何段階か進化していたようだ。何度か色が変わったり、大きさが変わったりしている。普段はいつもの大きさと色になってもらっている。
鑑定できないので具体的な種族名まではわからないが、Eランクくらいにはなっているかもしれない。
魔物が進化するためには、大量に溜め込んだ魔力と、長く生きた経験が必要だ。まぁ戦闘の経験だと思うけど。
ここしばらく進化が止まっている。毎日魔力は大量に渡してあるので不足しているということはないはず。まだ経験の部分が少ないので進化が一時的に止まっているのだろうと予想している。
-------------
新しく覚えた能力に擬態という能力があるらしい。
その辺にある岩に擬態してもらったところ、見た目は完全にそっくりだった。表面をコンコンと叩くと、本物の岩っぽい音がなった。擬態の完成度はそこそこ高そうだ。
擬態は結構制約が多いらしく、生物になることや、複雑な材質、複雑な形状は無理なようだ。
擬態状態でも【ソナー】には引っかかるので魔力や闘気の隠蔽はできていない。ソナーは魔力の波を広域に流すことで魔力や闘気を感知する魔法だ。
人前に出るときは外套に擬態してもらっておいたほうがいいかもしれない。
定期的に森で魔物を狩りつつ、リンとのコンビネーションを高めていくことにしよう。
なによりリンの進化には経験値が必要だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます