「カレン・リオンハート」について
フルネームは作中1度くらいしか出てきませんが、「金獅子」の異名が先にきて、フルネームを決めました。
明るいブロンドの、短くウェーブのかかった髪が特徴の美人です。身長も主人公スガワラと大差ない170近くあり、年齢はラナンキュラスと同じ20~22です。
所属組織「ブレイヴ・ピラー」の制服を着用しているシーンが数多くありますが、酒場を訪れている際は私服に着替えていることが多いです。やや露出の目立つラフな格好をしている設定です。
コンセプトとしては、シンプルに「いい人、いい友人」を描きたいと思いました。
筆者的には、作中でもっとも成長した人物と思っています。書き始めた当初はそれほど活躍する予定はありませんでしたが、振り返れば完全に主役の一翼を担っています。
また、結果的にボツ案にはなりましたが、物語の構想の中で途中退場(死)する予定もあった人物です。
本作を書き進めていく上で、何回か分岐点がありました。その中でも一番大きな分岐は、平和な世界を描くか、ダークな世界を描くか、というもので、第4話「花の闇」以降で、そこを考えました。
そしてダークな世界を描く路線の場合、「いい人」として描き続けたカレン・リオンハートを消し去ることで衝撃を与える展開にしようと考えていました。
ですが、書きながら、このキャラクターの作中で占める影響力があまりに大きくなり過ぎて、退場させる路線はやめました。
コメントにて鋭い指摘をしている方もいらっしゃいましたが、カレンはスガワラを男性として意識している節があります。これは、作中終盤に登場するトゥルーに起因します。
主観では描かれていませんが、カレンはトゥルーに想いを寄せています。ですが、彼は2年近くの間、彼女の傍からいなくなってしまい、その間に現れたのがスガワラです。
同じく酒場で働く年上の男性、ということと、性格が似ているところから、カレンはトゥルーの面影をスガワラに見ています。
彼女の去り際によく柑橘系の香りが漂うのは、スガワラのプレゼントした香り付きの虫除け薬を香水代わりに愛用しているからです(作中それなりに時間経過しているので、当然買い足してますが)。
ざっくばらんな性格で、言葉使いに品が無いところや空気を読めないような側面を見せる人物です。
一方で、若い年齢ながら巨大組織の2番隊隊長を務めており、精神的に成熟しています。ゆえに、場の空気に合わない言葉使いも、重苦しい空気を払拭する目的で意図的に行っているところもあります。
または、単なる照れ隠しの側面も多々あり、彼女の内面を理解するとふざけた会話も深みを増してくると思います。
作中で自ら「頭はよくない」と語っていますが、「頭の回転」という意味では非常に優れている人物といえます。
筆者的にも非常に気に入ってる人物なのですが、ある意味で作中もっとも救われなかった人物でもあります。
最終章にて、スガワラと口付けを交わすところは、筆者として作中もっとも切ないシーンとして刻まれております。
カレンが不幸な訳では決してないのですが、彼女の路線でなにか幸せな結末を準備してあげたかったような気もしています。
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