閑話休題 祖母と孫
「ねえ、おばあちゃん。なんで、うちの神棚には豚さんの彫刻が置いてあるのー?」
「なんでって、そりゃあ豚は神さんだからだよ」
「えー、変なのー。他のおーちのは普通だよ?」
「まあ、この町でも本当に古い人間しか豚の神さんなんて知らんからねえ」
「豚なのに、神様なの? 昨日、晩御飯豚カツだったよ。神様食べちゃったね!」
「あんた、嫌なこと言うねえ。豚の神さんは、普通の豚とは違うんだよ。神様が豚の姿をしているだけさね」
「へー、なんか全然凄そうじゃないね」
「下手なこと言うんじゃないよ。一応、この土地の守り神様なんだからね」
「その豚の神様は、私達を守ってくれてるの?」
「そうだねえ。その神さんは"縁"と"幸せ"の神さんなんだ。人と人を繋げて、私達に幸せを届けてくれるんだよ。繋がりに不器用な人ってのが多いからねえ」
「へー、その豚の神様に会ってみたいなあ」
「自由奔放な神さんだからねえ。案外、街中に紛れ込んで気ままに遊んだりしてるかもしれんよ」
「ふーん、変な神様。あ、そろそろみんなと公園で遊ぶ時間! おばあちゃん、私行ってくるね!」
「はいはい、気をつけて行ってきな」
「はーい! あ、今日も公園にブーちゃんいるかなあ。またタバコ吸ってたら注意しよー」
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