台湾(の領有権)は誰のものか ?

@MasatoHiraguri

第1話 台湾(の領有権)は誰のものか ?

2022年10月3日 14:47

  <注意>

  この「台湾(の領有権)は誰のものか ?」という私の文章は、以下に引用させて頂いた遠藤誉氏の「台湾の領有権は誰の手の中にあるのか?」という論文に啓発されて書いたものですが、内容はすべて私の独断であり、遠藤氏の論文の内容や氏の意向とは全く関係ありません。

  平栗雅人


<引用始め>

「台湾の領有権は誰の手の中にあるのか?」

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20221002-00317781

遠藤誉

中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

10/2(日) 12:59

<引用終わり>


  いつもながら、科学的・論理的、且つ、極めて丁寧な分析手法の「遠藤節」です。

  しかし、何と言っても、その終わり方(の余韻)がいいんですね。

  浪曲の広沢寅蔵、終曲の言葉「ちょうど時間となりました。またの機会を楽しみに」。映画評論家淀川長治「また来週、お会いしましょうね。サイなら、サイなら」。

  必ず、最後は「チャーズの恨み、忘れへんで」と終わるところが、この科学的で機械的・硬筆・冷徹な論文に文学性(情緒・感情)を醸し出しています。

  (今ようやく過去の思い出となってきた)「70年前の恐怖体験」が、まるで牛丼の紅生姜のようにピリッと効いて文章を引き締め、生姜の赤色の如く逆に情趣を添えています。

  米映画「旅情」や米英合作映画「第三の男」のラスト、そして、米の西部劇映画「シェーン」で有名な「シェーン、カミングバック !」の声が聞こえてくるようです。


○ 徹底的な真理の探究

  とてつもなく広範な分野に及ぶ調査(知識)と深い検証、優れた洞察の前には、世上中国評論家だの台湾通だのといった、いい加減な知識と適当な口舌の輩など、芥子粒(けしつぶ)のようなものといえるでしょう。

  中国と台湾双方が主張する、相手に対する権利意識、その根拠とは何か。この点をここまで明確に指摘した論文・論説というのは、現在までのところ何処にもなかったのではないでしょうか。(台湾客家自身も知らないのではないか。)


  この方の徹底した真実の探求姿勢とは、物事の事実・真実ばかりでなく「真理」にまで行き尽きてしまうところに、その醍醐味があります。

  徹底して表を追及すると、その裏までも見えてしまう。


  即ち、遠藤女史の結論としては、

○ 中国には中国の言い分があり、台湾にも台湾の主張がある。全くイーブンである。

  つまり、西暦230年から。1945 年10月まで、「共産中国」が台湾を領有した事実はないし、中華民国が台湾を支配したのは1949年からであり、たったの70年で大差はない(と、私は遠藤女史の論文を自分で解釈しました)。

 ( 領有権に関しては、どちらも「ハゲとハゲ」の同類・同レベル。 → これも私の解釈です)


→ となれば、「ハゲ同士でケンカして決めるしかない(双方、どうかお毛がの無きように)」というのが、私平栗雅人の行き着く解釈であり、遠藤女史のお考えとはかけ離れてしまうかもしれませんが、女史の解明された貴重な事実をどう解釈して展開するかは、人それぞれですから仕方ありません。


  例えば;

  日本だって、沖縄を領有したのは、江戸時代薩摩藩の頃だというし、北海道だって間宮林蔵が地図を作るまでは「中国における台湾島」の如く、放ったらかしだったのでしょう。

  中国共産党政権が台湾島に関与したことはないといっても、中国数千年の歴史の流れの中で、いま現在、中国を背負って立つ(中国の代表)のは中国共産党なんですから、その意味では、西暦230年から中国(共産党)が台湾島に関与していた、と考えることもできる。「誰が最後に勝ち抜いたか」最後(現在)その地域を総括する者(国家)が、すべての責任者ではないでしょうか。


○ 「中国歴代王朝は西暦230年から、隋王朝・宋・元時代、そして明・清代と台湾島に関わってきた。」のは遠藤女史のご研究からの事実です。


  ここで私が重要であると思うのは、中国人というのは、台湾島の原住民たちを無理に中国風の服装をさせたり、制度や慣習を同じにさせようとはしなかった、ということです。

(この話は、私が別のソースから得た話です。)

  つまり、中国人は「治めざるを以て深く之れを治む。」(文章規範)というスタイルで、無理に植民地化したり、貧乏な社会に対し税金を課したりはしなかった。


  中国人というのは、中国に対して敵意がないという証明(貢物を差し出す → 朝貢)をすれば、決して侵略したりしない。また、10の貢物を受けたら、かなり多めに50の返礼をして返すのが中国式。

  中国の宋と友好関係にあった高句麗(今の北朝鮮)が、敢えて残忍非道な元(モンゴル)と戦うことを決意したのは、宋代には貢物に対して倍以上の返礼をしてくれる、いわば貿易関係であったのに、モンゴルの場合には西洋人と同じで、一方的に貢物を出させる苛斂誅求の国であったからだそうです。


** これは私の台湾での体験なんですが、台湾客家というのは、その意味では確かに中国人ではない。彼らは一方的に贈り物・おみやげをもらうだけ。決して返礼なんかしない。   

  一方的にもらうことで、自分が上で相手が下という上下関係を、相手に認識させようとする。

  ところが、非客家の台湾人はちゃんと返礼ができる。

  そういうくだらない、「格好だけの上下関係」なんて求めない、真の友好ということを知る、真の人間なんです。

  この意味で、台湾客家というのは、まさに「寿陵の余子」(荘子)。中国人本来の良さを失っていく「おバカさん」。

  台湾客家のお決まりの文句である「日本人は永遠の友人」なんて甘言は、絶対に信じてはならない。

***


  西洋人とは「コロンブス」に見るように、侵略・征服・搾取 → 植民地、次には属国化して永久に奴隷にする「統治」というスタイルでアジアやアフリカを支配してきた。自分たち西洋人は働かずに、奴隷の稼ぎで飯を食う。

  一方、中国人は自分で汗水流して働くから、植民地や属国が要らない。

  これはドイツ人も同じです。

  ドイツ人はしかし、英仏が、米国をはじめ、アフリカやインド・中国・ベトナムといったアジア諸国を植民地にして国力を増大させるのを見て、仕方なく「植民地獲得競争」に加わり、一時は中国の一部(青島)を領有したりしましたが、うまくいきませんでした。ドイツ人の体質は中国人に似て、アングロサクソンのような「寄生」という生き方はできないのです。

  ヒットラーが「領土の拡大」というパンドラの箱を開けて、全ヨーロッパを支配するなんて構想をぶち上げたのは大失敗でした。


  2020年11月の米国大統領選挙戦において、トランプとバイデン互いに「相手が不正を行っている」と言い争い合戦になり、しばらく膠着状態が続いたとき、地球の反対側で、北朝鮮の金与正女史は(SNSで)こう叫びました「男なら決着は殴り合いでつけなさい!」と。

<引用始め>


金与正

2020年11月5日

「この際トランプ氏とバイデン氏はボクシングで決着を付けなさい。アメリカではボクシングが流行でしょう。男は拳で語りなさい。」

<引用終わり>


  さすが、モンゴル(元)が高句麗を侵略したとき(1231年)、その勇猛果敢な戦いぶりに、あのモンゴルの将軍たちが舌を巻いたという高句麗人の流れを汲む女性です。

  そのモンゴル(元)がやっとのことで北朝鮮(高句麗)を征服し、次に攻略した百済(今の韓国)地域では、そこの支配者であった両班という貴族階級(岸田の祖先)は、ただの一度も戦わずに、半島中を逃げ回っていたという(中公新書80「元寇」旗田巍(中国の資料で読み解く))。


  「男は拳で語りなさい。」 → いい言葉ですね。

  「新大統領バイデンとの電話会談は、ボクの方が日本より4分間も長かった!」(2020年11月17日)と、はしゃぐ「南鮮の文在寅くん」と北朝鮮とでは、格が違います。


  ということで、私平栗雅人としては、遠藤女史の素晴らしい論文のおかげで「中台紛争」は武力解決もやむなし、ということが自身の内で納得できました。ハゲ同士で勝手にやってください。

  しかし、台湾客家さん、決して日本に頼らないでね。


○ アメリカを含む周囲の国々の影響が中台関係に及んだ、ということはあるにせよ、2国間の争いであることは間違いないのだから、その争いによその国が干渉するべきではない。


  どの国も自分の足で立つ「大人」だからこそ「国家」と認められて国連に加入しているのです。

  台湾客家の総統が、「中国の脅威」を叫んで日本人全員に「助けて」なんてビデオやSNSで(まるで中台戦争に参加してくれと)援助を求めるなんて、非常識すぎて、国家とは呼べないでしょう。

  「ガキじゃねえんだ、テメエの尻(けつ)を自分で拭けないようなら、国家の看板を下ろして、さっさとアメリカの51番目の州にでもなれ。」と言いたくなる(言っちゃってますが)。

  「独立国家の支配者」としてうまい汁を吸いたいけれども、自分で血を流して戦うのは嫌だ、日本人よろしく。これが台湾客家の本心なのでしょうか。


  今度の選挙で、とにかく台北市と新北市の市長を台湾客家にすること。

そのための台湾客家キャンペーンに、どうか日本を利用しないで戴きたい。


  中台紛争なんて、中国ばかりが100パーセント真剣で、台湾においては、一つの「選挙戦のためのイベント」でしかない。

  何かむなしいですね。


  ただ、中国も台湾客家も日本人も、忘れてならないのは「台湾島の真の領有権を持つ者は台湾原住民である」ということではないのでしょうか。

  彼らは西暦230年から中国が、とか、1949年から中華民国が、どころではない。何万年もの昔から台湾島に住んできた本当の住人なんです。

  そんな彼らを抜きにして「領有権」も「台湾の独立」もあったものではない。


  この島をはじめて訪れた西洋人が「美しき島」と驚嘆した台湾を、こんなに汚らしくしてしまったのは、中国なのか中華民国なのか、という「責任問題」の方が、領土云々よりも大切なのではないだろうか。(まあ、あまり現実的な話ではありませんが、台湾の神々はきっとそう思っているはずです。)


2022年10月3日

V.1.1

平栗雅人

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