第4話 ソードスキル
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次の日、私たちは東のグレイム森林の先にある、ダンジョンにやってきた。
ダンジョンは、魔界とつながっている。
魔界とは、次元の狭間にある世界の事である。
次元の狭間には無数の魔界が存在している。
その無数の魔界は中央の巨大な魔界に向かって通路のように直結していて、階層のように奥に行くほど強力な魔物やモンスターが存在する。
洞窟をしばらく歩くと、魔界に到着した。
突然、虹色の大空が広がり、草原や山脈が出現した。
虹色の大空は、絵の具を塗りたくったような銀の光沢を持つ不思議な色をしている。
この世界の物とは思えないほどの美しさをしている。
そしてそれが逆に不自然さを際立たせている。
ここまで来るのに、魔物には殆ど出会わなかった。
聖剣の魔力は魔物を引き寄せる事も、レベルの低い魔物を近寄らせなくする事もできるのだ。
しばらく歩くと、巨大なイモムシの魔物、サンドウォームが現れる。
ちなみにダンジョンの中にいる魔物は、通常の魔物よりも比較的かなりレベルが高い。
「それじゃあ早速だけど、昨日話した通りソードスキルと魔法剣を組み合わせた、ソードスキル精霊魔法剣の特訓をはじめましょうか?」
シフが言ったソードスキルとは、聖剣を装備した者が使用する事のできる特殊な剣術の事である。
私はまず、炎の魔法剣フレイムソードを発動させる。
そして次に、ソードスキルー[溜斬り]を発動させた。
シュゴゴォオオオー
フレイムソードの刃の周囲の炎が倍増して燃え上がり、灼熱の炎となる。
私はその剣でサンドウォームを斬りつける。
ズバァアアー
サンドウォームは一刀両断され、その灼熱の炎に包まれて大爆発する。
破壊力が2倍以上になっている。
それも、剣による物理攻撃の破壊力だけではなく、フレイムソードの炎の魔法による魔法属性由来の破壊力も。
これがソードスキル精霊魔法剣。
サンドウォームを倒してしばらくして、今度はリザードマンが現れた。
リザードマンは剣と鎧を装備した二足歩行の蜥蜴人間である。
「見事よ。じゃあ次は、ソードスキルー[セイントアイ( 聖眼 )]を使いましょう。」
私はシフの言うとおり、ソードスキルー[セイントアイ]を使った。
リザードマンの喉のあたりが、赤く光る。
そして、謎の矢印と弱点と書かれた青い文字が目の前に浮かぶ。
どうやら喉のあたりがリザードマンの弱点らしい。
確かにその部分には鎧も硬そうな鱗もない。
まあ普通に見たらだいたい解るけどな。
「その赤い部分が弱点よ。」
「解ってるわ。それで、どうしたらいいの?」
「そうね、頑張って、そこの赤い部分を攻撃するのよ。自分で考えてね。」
「そんな、ちょっと待ってよ。」
急にシフにほっぽりだされて混乱している私に向かって、リザードマンが剣で斬りつけてきた。
私はその攻撃を聖剣で受け止める。
次々とリザードマンは剣を繰り出してきた。
私は聖剣で受け止めて防御し続けるので手一杯だった。
リザードマンの方が体格が遥かに大きいので、反撃してもこちらの攻撃は届かないのだ。
[パリィ]
私は[パリィ]というソードスキルを発動させた。
[パリィ]は敵の攻撃を受け流す事のできる剣技だ。
そうして、リザードマンに一瞬の隙ができる。
私は距離を稼ぐため、片手剣に持ち替えて敵の喉元めがけて突きを放つ。
キィイイーン
リザードマンのパリィによって、今度は私の剣が弾かれ、払いのけられる。
リザードマンの反撃を私は後方へ跳躍してかわす。
「惜しかったわね。」
「リザードマンのほうが剣撃の射程距離が大きいのよ。スピードもかなり速くて剣技のレベルも高い。」
私は冷静に状況を説明する。
「そう、でも、聖剣の力とスキルはまだまだこんな物じゃないわ 」
私はステータスを確認する。
そしてー
「スピードアップ」
私は聖剣のもう1つのスキル、[スピードアップ]を使って、高速で剣撃を繰り出す。
リザードマンは盾と剣のパリィでの防御で防戦一方となる。
[ エアロリンク ]
私は剣撃を放ちながら、精霊魔法剣[ エアロリンクソード ]を発動させる。
魔法剣から、暴風が発生して、リザードマンの片手剣が弾き飛ばされる。
そのスキに、私は聖剣で突きを放つ。
グエェエエー
リザードマンの弱点である喉に剣が貫通し、リザードマンが光に包まれ消滅した。
落ちこぼれ美少女エルフの精霊魔法剣 INC @illusionelement
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