第2話

【第一戦 中一の五月】


「清水さん、好きです。僕と付き合ってください」


「ごめんなさい。私、もう彼氏いるから」


一敗目確定。






【第二戦 中一の七月】


「角田(かくだ)さん、好きです。僕と付き合ってください!」


「ごめんなさい。私の苗字、つのだって読むの。名前すら間違える人とは付き合えないわ」


二敗目確定。






【第三戦 中一の八月】


「坂本さん、好きです。僕と付き合ってください!」


「私、大塚だけど……?」


三敗目確定。






【第四戦 中一の八月】


「大塚さん、好きです。僕と付き合ってください!」


「ごめんなさい。私は坂本だけど?」


四敗目確定。






【第五戦 中一の九月】


「えーと、塚本……。いやいや、大塚さ……ん。ちがう、角田さんだっけ、好きです! 僕と付き合ってください!」


「お前、帰れよ……」


五敗目確定。






【第六戦 中一の十月】


「大金さん、好きです。僕と付き合ってください!」


「私のどこが好きなの?」


「お金持ちなところが好きだ!」


「帰れよ。お前……。正直すぎだよ……」


六敗目確定。






【第七戦 中一の十月】


「佐久間さん、好きだ。付き合ってください!」


「わたしのどんなところが好きなのさ?」


「エロボディー!」


「死ね!」


七敗目確定。






【第八戦 中一の十一月】


「友田さん、好きだ。僕と付き合ってください」


「友田さんは、隣のクラスの女子だよ……。私じゃないよ」


八敗目確定。






【第九戦 中一の十二月】


「笹川さん、好きです。僕と付き合ってください!」


「あんたさ。告白する時ぐらい、ちゃんとズボン穿いたほうがいいぞ」


「あ、忘れてた!」


九敗目確定。






【第十戦 中一の一月】


「千堂さん、好きだ。僕と付き合ってください」


「あの……。なんでズボンを穿いてないの……」


「あ、忘れてた!」


十敗目確定。






【第十一戦 中一の二月】


「沢中さん、好きです。僕と付き合ってください」


「僕、男だけど……」


「えっ!」


十一敗目確定。






【第十二戦 中一の三月】


「佐々木さん、好きだ。僕と付き合ってください」


「わたし、明日から別の学校に転校するから。ごめんなさい」


十二敗目確定。






【第十三戦 中二の四月】


「好きです。僕と付き合ってください!」


「担任教師を口説くのはよくないぞ。キミ……」


十三敗目確定。

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