第32話 魔物の残党狩り 

🖼 魔物の残党狩り 


帰ってきてから、やたらと、ララのテンションが高い・・・

ビリビリ、シュッ、シュッ・・・! って、声だけだけど、ここでやらないでくれよ〜 ララの場合、実際にやりそうで、・・・

「面白かった〜! あんな奴らなんか、チョチョイ!ってね〜」って、まあ、何か?楽しそうだから、放っておこう。


魔物の一部が、山岳に逃げ込んでいるかもしれないし、後で、見に行こうかな? 鉱山鉱脈も気になるしな。


一気に「転移」で、鉱脈の上空にいる。

ここから見える限り、少し、農地が荒らされたようで、農家の人と、冒険者たちも手伝って後片付けをしているようだな。

他の騎士さんたちや冒険者のランクの高い人たちなどは、未公開ダンジョンに行って、調査だろう。まあ、よかったよ、この広大な王立農地が駄目にならなくて。


それで、当然、鉱脈あたりには人の気配は無いけど、やはり、少しは山に逃げてきた魔物の連中がいるようだよ。

ゴブリンたち、オークたち、あとは、遠く、ダンジョンから北へ移動した連中もいるな、川の河口近くに、魔蜥蜴達が集まっている場所があるよ。

まずは、魔蜥蜴をなんとかしよう、しかし、こいつら、ダンジョンの魔物だろ? なぜ、ダンジョンを離れて生きていける? そうか? ダンジョンの地脈の近くに寄ってきているのか? 「空間察知」してみれば、地脈は、オルコット領北の未公開ダンジョンまでは、一本で、来ていて、そこで、3本に別れて、一つは、ノーザン帝国の第一ダンジョンへ、二本目は弱い地脈だけど、川沿いに流れていて、三本目が、ここの未公開ダンジョンへと流れる地脈で、不思議なことに、ノーザン第一も、この三本目の地脈も、海にというか、断崖絶壁に突き抜けていっている、ってことか。

川もそうだな、全部、地脈が海に流れ込んでいる? まあ、よくわからないけど・・・


理由はともかく、川に集まっている魔蜥蜴達の始末だな、これは狩りでいいだろう。農地方面に流れてきて、人に悪さをし始めるとキリが無いからね。

と、ララを見れば、もう何? 目をキラキラさせて、僕を見てくるけど、・・・ああ、やりたいのか? 「うん、ララがやる!」って、君、精霊さんだよね〜〜

精霊はこうあるべきだ!なんていう決めつけはしないけど、ララは、結構、好戦的?イヤ、違うな、すべてが「面白い!」んだろうな・・・


いいよ、って言ってやる、とたんに、「行ってきま〜す」って消えた、「転移」していったよ。そんなに急がなくてもいいんだけどね。

なので、僕は、「飛行」で、割とゆっくり飛んで行く。


現場に到着、上から見ているけど、既に、魔蜥蜴たちは、束縛されているよ。川の近くの沼地に集められて、「感電」でもされたんだろうな、ビリビリ痺れている、そこへ、「雷刃」、首刈りだよ、すべての魔蜥蜴たちが倒れていく、ここはダンジョンではないから、死体はそのまま残っている、確か、蜥蜴の革や素材はお金になるんだよね、なので、ララに「はい、そこまで!」って声をかけてから、魔石ごと、素材を回収する。これ以上好きにさせておいたら、革に傷が付きかねない・・・


「気配察知」では、これで、ここの魔蜥蜴はすべて、消えたようなので、次は、ゴブリン集団だな。

ララに、ゴブリンは、素材で役に立つものはほとんど無いから、好きにしても良いって言ったら、またまた、即「転移」して消えた。

まあ、魔石くらいは残してくれるかな・・・?


「飛行」でゆっくり来てみれば、もう、すっかり終わっていて、何とララが、魔石だけを回収してくれていたよ! やっぱ、ララは凄いよ、褒めちぎっておいた。

「ヒロシが、欲しがるかも?って思ってさ〜〜」だってさ。


さて、残りは、オークの集団だ、同じ3番目のダンジョン地脈に沿って離れた場所、山の谷筋に集まっているので、これを潰す。

今度は、事前に、ララに、一応、言っておく。

オークの肉は、人間が食用にするから、できれば、首チョンパ!くらいで、体には傷つけないで、ってお願いしておいたよ。


おそらく、オークたちには、小さな光る玉くらいは見えてるだろうけど、それが、向かってきて、とんでもないものだった、ってことだろうな、何といっても、瞬殺だからね。見えない「風刃」が2〜3発、飛んだかな?ってところで、オーク達の全部の首が落ちたんだから、何も考える暇もなかったと思うよ。

ララに「ありがと〜」って伝えて、オークを魔石ごと回収しておいた。


今日の収穫は、魔蜥蜴 25体、オーク 35体。

とりあえず、各2体、合計4体を、「白霧」とともに、大公領冒険者ギルドの前あたりに、「転送」しておいた。不要なら、捨てて下さい、ヨロシク。

気配を探っていたら、ギルドからおじさんが出てきて、マジックバッグに収めていたから、無下に捨てられることも無いかな?

僕としては、ダンジョン魔物と戦った人とか、農地の補修にあたった人とかに、オーク肉でも振る舞ってほしかったんだけどね・・・


そうそう、忘れるところだったよ。今日の本命、鉱脈の調査だ。

地下を「探査」してみれば、確かにあるよ、金、銀、銅、鋼鉄、魔鋼、ミスリル、オリハルコンが少し。でも、金、銀、銅があれば、硬貨も作れるし、鋼鉄、魔鋼、ミスリルは、剣や魔道具にもってこいだしね・・

少し、サンプルとして? 回収してみよう。

5kgのインゴットで、金、銀、ミスリル、オリハルコンを、各5本ずつ採集できた。「探査」の結果では、かなりな鉱脈の量だから、国の産業にもなるんじゃないかな? これは、大公さんには知らせてないけど、その気になって、開発していけば、まあ、見つけられる?かもね・・・


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る