第31話 旧漁港近くの未公開ダンジョン
🖼 旧漁港近くの未公開ダンジョン
居間で、「空間把握」して、旧漁港の方を「探査」しているんだけど、気配がおかしい場所が2箇所ある。
一つは、海岸沿い、このあたりの海岸は岸壁になっているところ。もう一つは、旧漁港から山岳に上がったあたり、ここには金属鉱脈が多い気配だ。
海岸沿いのところは、どうやら、また、未公開ダンジョンかな?
そこを「地下探査」してみれば、魔物の気配が多いよ、ダンジョンは現在のところ、すでに8階層まで出来ているし、これ、もうすぐ、魔物が溢れて出てくるかも?
旧漁港の旧領地を抜けてくれば、広い王立農地があるし、さらに進んで、大公領まで、魔物の群れが進んでくるおそれがある。幸い、王立騎士団の訓練所があるから、食い止められるかもね・・・
一応、ダンジョンを調べたほうが良さそうだ、ララなんかもう今から、ワクワクしているしね・・・
とりあえず、急ぎはしないけど、「転移」で移動して、今、現場の上空にいる。
穴はまだ開いてはいないから直ぐには出てこないか? でも、魔物の力があれば、出口なんて、アッと言う間に開くんだろうな・・
地下を「探査」してみれば、1、2階層に、魔物が集まってきているな、これ、危険の一歩前? 下の階層から押し出されて、逃げるように、1、2階層に溜まってしまったんだな。3、4、階層には、まあ、多い程度で、5、6、階層で、まあまあ、7、8、階層は、完全に上に移動したって感じでは無いみたいだけど・・・
とりあえず、最下層から、見てみるか。
ララを連れて、最下層、第8階層へ「転移」する。
うん?ここはエリアの感じからして、基本は、廃墟のアンデッドかな?
まあ、調査なので、上の階へ、ここは砂漠エリアだよ、「気配察知」では、・・・魔物が少ないかな? 砂漠の地中の魔物が上に昇っていったのかも?
第7階層、森林エリアだ。「気配察知」では、ああ、確かに、砂漠の地中にいるであろう大きな魔芋虫が徘徊しているし、このエリアの地面には、砂漠の魔蠍、魔蛇などもウヨウヨいるよ、下の8階層から上がってきた連中だな。
第6階層、草原エリア、既に、魔芋虫がこの階層まで来ているし、こんな草原エリアのどこにでもいそうな魔狼の気配がゼロだ、上に昇っていったな、あとは、魔牛やオーク、などが居てもいいのに、気配無し、
第5階層、山岳エリア、ここは、体の小さな連中しか残っていない、
第4階層、池、沼のエリア、本来ここを住処にしているであろう、魔蜥蜴の気配が無いな、残っているのは、水を常時必要とする魔物だけ、それに、沼地には、やたらに足跡が多いな、沼の水草など、殆どが踏み込まれている、これ、ダンジョンによる修復さえ間に合っていない状態?
第3階層、ごちゃまぜの魔物が多いな、魔蜥蜴やオーク、オーガ、魔牛、魔蛇、魔狼、などが、ウジャウジャ、混雑しているよ。
第2階層、魔狼やゴブリン、オークが、これでもか!ってぐらいに、ひしめいている。
第1階層、ここにも、魔狼、ゴブリン、オーク、がひしめき合って、出口を求めて、小競り合いまで起きている。魔物が溢れるのも、時間の問題だな。
少し、1、2、階層の魔物を間引いておこうか、ララに、2階層の魔物を半分くらいにしてくれる?って言えば、「わかった! 行ってくる〜」って消えた、「転移」して行ったな。
じゃ、僕は、ここ1階層で間引こう。
適当な魔力量で、「感電」を発動する、まだ、全体の20%くらいしか消えていない、なので、「加重」をやや強めで、これで、始めの状態の半分くらいになったかな? 小競り合いも収まっているようだし。
2階層の気配を探ってみれば、あちらも半分くらいになったようだ、まあ、上が開けば、下から上がってくる奴が増えるだけなんだけどね、そこまでは、僕はやらないよ、だって、ここは大公さんの縄張りだろ? なので、手紙を書く。
「前略、大公様、 旧漁港の北、海岸沿いにダンジョンが発生して、まもなく、魔物があふれて、そちらへ向かう状況です。ご注意を! 白霧」
で、簡単な地図を書いて、それとともに、大公の屋敷の執務室に、「転送」しておいた。
様子を見ていたが、5分くらいして、騎士団が馬に乗って、駆け出してきた。
そのあとを追うように、大公領の冒険者たちかな?がゾロゾロと武装して北門から馬車に乗り合わせて走り出てきたよ、イイね、イイね、ワクワクするな・・・
って見ていたら、とうとう、ダンジョンの出口が決壊したようだな、早かったな。
ゴブリンやら魔狼やらが、真っ先に出てきて、海岸線を進んでいるから、間もなく、旧漁港にたどり着くな・・・
決戦の場は、旧領地跡くらいで止めなければ、王立農地を荒らされる。
ララと二人で、農地の上空で「隠密」状態で、眼下を見下ろして、ワクワクして見学だよ。
アッ、駄目だよ、抜かれたな、オークの一部が農地にドカドカと入っていくよ、これ、マズイよね〜 ララに、「やる?」って聞いたら、「うん」って言うのと同時に、「行ってくる〜」って飛んでいったよ。姿は見えないだろうけど、まあ、程々にね。
海岸通りを抜けてきた連中もいるな、魔狼の群れとオーガだな、さて、僕も出動しよう。
上空から、まとめて、「感電」で、動きを止めて、「光射」、幾筋もの光の細い筋が、魔物たちを射抜いてゆくよ。まあ、魔石は、大公領の彼らにあげよう・・・
気配をみるけど、魔物の追加はひとまず止まったようだし、ララも戻ってきたので、しばし、休憩。
騎士さんたちや、冒険者たちが、残存している魔物を狩っている、見た感じ、魔物のレベルも高くないし、なんとか収められるんじゃないかな。
ララに、向こうは、どうやったの? 「うん? 「加重」でペシャンコ、「感電」でビリビリ、「風刃」で、シュッ!シュッ! 」だってさ。凄いよ。
戦い終わって、兵士たちが、空を仰いで、何か祈りを?捧げて、感謝しているみたいだけど、あれ、どうしたの? 僕達? まさかね! 僕達の方を向いているわけではないから、見えて無いよね? 絶対に見えないよね?
なんというか、いつまでも、ここでフラフラしているのも、何? なので、「転移」して別荘に帰ったよ。
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