第29話 雷精霊ララ 

🖼 雷精霊ララ 


ララから、次々といろんな情報が入ってくる、「噂話」を拾ってくれてるのか?

『『『

海賊が居たなんてね、しかも、元男爵様だってよ、騎士様が調べた拠点には、いろんな証拠書類や金貨が残されていたって、犯人たちは、白霧に包まれて、王都の衛兵門前に現れたそうだ、王都からは、すぐに、あの鷹が飛んできて、知らせが来たんだって、大公様も、海外交易をしているから、海賊は許さないだろうな、なんか、海賊たちは、いろいろ、白状したようだよ、そんなんで、王都の衛兵たちもたいへんだったらしいよ、白霧っていえば、前にも、あったんだってさ、何? 妖精の仕業、とか、神の天罰、とか、いわれてる、まあ、悪いことは出来ない、ってことだよ、俺たちも、気をつけような〜

』』』

って、これは、使用人たちの部屋だね、ララに指示して、大公の様子を探ってもらう。大公は、今、食事中だから、執務室でも見てみる?って「念話」がきたので、そうしてもらう。

隠し部屋とか隠し金庫なんか、ないかな? 「気配は無いみたい」

すると、2人の騎士さん達が部屋に入ってきたよ、大公はまだだね、

『『

なあ、先日のあれ、何だ? 何故、拠点がカラになっていた? 何故、王都の衛兵門前に、眠ったまま現れた? しかも、あいつら、ベラベラ、自分たちの罪状を、洗いざらい、自白して、何だ?あれ、 以前にも、衛兵門前で、白霧の中に、ボロ貴族が現れたそうだぞ、妖精の仕業、って本当なのか? いや、神の罰、って噂もあるみたいだぞ、 何か、盗賊の元男爵の関連で、いろいろ取り調べも入っているようだな、

この国、まともなのは、オルコット伯爵と、ここ、オランド大公、くらいなものか、

』』

なんて、ことを、主のいない部屋で、ベラベラと話しているよ。


凄いのは、ララの「盗聴」魔法だな、僕のところまでちゃんと聞こえてくる、僕がその場に居るみたいだな。


そのあと、オランド大公も戻ってきて、3人の話しからは、今後は、今、調べられている盗賊関連も含めて、もっと、情報収集をしたい、ってことと、白霧の件は、おそらく、反盗賊、反悪徳貴族、というところで、我々の敵ではないだろうし、被害も無いので、このまま放置するが、何か情報があれば、知らせて欲しいって、ことらしいよ。

ここには、カナデみたいな隠密は居ないのかな?


念話で、ララに、戻ってこれる? か聞いたら、「うん、わかった〜」って言い終わらないうちに、「ただいま〜」って戻ってきて、僕の肩の上に乗っている。

凄いな、精霊。


もう良いや、なんとなく、大公さんも、「近寄らず」で。

接触しても、問題は無さそうだな、今の所は・・・。


さて、ララにはまだ、シズカ別荘を紹介してなかったしな・・・

ここが、僕の家、って紹介するんだけど、僕の記憶を読み込んだララには、「うん、知ってる!」で済まされてしまったので、居間で、メロンを食べているけど、やはり、精霊なんだな、果物にも、甘い物にも、飛びついたよ、だから、ショートケーキとモンブランも出してあげた。勇者の遺産、大活躍だな。


もう、顔中、凄いことになっているけど、本人は気にならないのかな?

食べ終わって、お腹をさすっているので、「クリーン」をかけてあげたら、自分でも、水魔法で「水滴」を作って、顔を洗っているよ、器用だな。


一息ついたので、ゆっくり休憩でも続けようかな?って思っていたら、「さあ、ダンジョンへ行こう!」だってさ。 元気だね〜

どこのダンジョンとか指定はなかったので、とりあえず、近くの、オルコット伯爵領北の未公開ダンジョンへ行ってみるか・・・


「飛行」で飛んできた。ララは自分でも飛べるしね、何の問題も無い。で、上空から見ているんだけど、まだ、公開はされていないみたいだな、ただ、入り口は出来ていて、見張りが2人いるけど、「気配察知」で、最下層は5階で変わってないし、ダンジョン内に他の人の気配は無い、なので、ララを連れて、とりあえず、4階層へ「転移」する。

ここは、奥が廃墟で、スケルトンキングなどがいる階層だけど、手前の広い部分は森林、草原エリアだ。まあ、オークやオーガ程度なんだけどね、遊ぶにはちょうど良いかな〜ってことで、ララも何か、やる気のオーラ?がユラユラ?してるし、さっそく、適当に進もう!


あれ、ここにもいたんだな、魔狼の群れ40頭がこっちに向かってきているな。

僕の肩からララが飛び立っていったよ、「行ってくる〜!」ってさ。

まあ、今日は、ララの遊び?に付き合う形だからね、僕は、見ているよ。


ララは小さいし精霊だから、魔狼たちから見えるのか?って思っていたが、まあ、杞憂だったよ、ララが、魔狼達の正面あたりで、「雷光」で、眩しい光を発して、魔狼達の注意を惹きつけて、一箇所にまとめた、そこへ、「感電」で、魔狼達を痺れさせて、「雷刃」、「雷槍」をバシバシ打ち込んでいる、あれ、本当は、そんなに打たなくても・・・、魔狼たちは全滅して、ダンジョンに消えていったよ。

なるほど、完全に、楽しんで、遊んでいるな・・・ まあ、僕は「魔石回収」係だな。


次は、そんな有様を遠巻きに見ていたであろうオーク達だな。

しかも、今日は?数が多いのでは? 60体はいる。

それらが横2方向から、そして前方3方向から、ドドドド・・って疾走してきてる。まあ、最奥には、まだ動いていない、大型の奴らが5頭、残っているんだけどね。


さて、どうする? ララが、先程より、強力な「雷光」を放つ、それだけで、倒れて、消えていくものもいるけど、大半は、歩みを止めないで小さな光を目指して集まってくる、と、ララがゆっくり浮上していって、上空から、「感電」「落雷」を、奴らの集まっているところにだけ集中させて降らせている。


凄まじい「落雷」の威力と範囲の正確さ、50体近くいた連中が、消えた。


さあ、残りの大型オークたちだね、まあ、順当に、まずは、左右の2体、サブリーダーってところかな?が、剣を抜いて飛び出してきた、宙に浮かぶ光の玉に向けて、剣先から何か?魔法を放った。

まあ、ララには効かないよ、だって、僕があげた防御力だからね、放たれた魔法が、光の玉に弾かれて、オーク達の元へ向かっている、「魔法反射」だね。


あわてて避けようとするけど、かすって、腕をもっていかれた奴もいるよ。

そこへ、間髪置かないで飛んできたのが、ララの「風刃」、これも凄い、一発で、2体のオークの首が飛んだ。

残り、3体、大型オークが2体に、真ん中のどでかい奴、これ、オーク・キングか?

何か、以前の調査のときよりも、魔物のレベルが上がっている? あとで、報告しなきゃ、だな。


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