第14話 Aランクに昇格
🖼 Aランクに昇格
朝早くから馬の世話をしてくれている、屋敷の人に挨拶をして馬を受け取る。
結構、水とか餌の草とかブラッシングとか・・馬の世話も大変なんだね。
セリーヌと話し合って、帰りは寄るべき場所もないしオルコット領まで一気に疾走しようということになった。スキルの「早馬」でも使うのか?って聞けば、あれは自分も馬も疲れるから、無し、普通に早く走るんだと・・
馬にも身体強化と俊足でもかけてあげようか?
というわけで、王都の東門を出たところから、競争開始だ。途中切り通しまでは僕の楽勝?だったんだけどな〜 そのあとは、お尻が痛くなってきて、自分に「ヒール」をかけながらの駆けっこは・・まあ、結果は惨敗です。経験の差が見え見えだよ。
そんな感じで、午後一番くらいにはオルコット領の西門に着いてしまったよ。これ、早すぎだよね〜。
そのまま、ゆっくりと領内を走らせて伯爵邸へ到着。さっそく伯爵との面談。いろいろ聞かれたが、詳しくはカナデから聞いてください、って思いながらも、適当に答えて依頼書にサインをもらって、セリーヌにも「挨拶」して屋敷をあとにした。
ギルドまで、「転移」して、ガントさんに、依頼完了の報告をして、また、明日、来い!っていう声を聞いて、宿へ帰ってきて、そのまま寝落ち。
朝早くから、シャワーだよ、昨日使わなかったからね、寝落ちして。
ギルドに行って、Aランクカードへの切り替えをしてもらって、帰ろうとしたら、ガントさんに呼ばれて部屋へはいる。
まあ、よくやってくれた!って褒めてはくれているが、・・・もう、貴族依頼なんて受けないよ〜。「じゃあ、報酬などは、伯爵自ら渡してくれるそうだから、伯爵邸まで行くように」って、もう、面倒になってきたな、このままこの国、出てしまっても良いかも?
って考えていたら、部屋に騎士さんが入ってきたよ、何と、セリーヌさんではありませんか。「おはようございます」
「ああ、おはよう、今回の護衛、感謝します。」って直接言っていただけるのは良いのですが、その後、僕の腕をガシッと掴んで、これ、強制的?拉致ですか?
ということで、伯爵邸まで、拉致・連行されてきました。
部屋から覗いていた伯爵が、
「ハハハ、逃げられないだろう? 迎えに行かせて正解だったようだ」
って、そうか? カナデ情報だね。やられたよ。
「それに、なあ、ヒロシよ、そんな美人に腕を抱えられて、まんざらでもないようじゃないか?」ってそっちの話? それは初耳ですね、なので、そこは聞こえないフリで、
「まあ、まだ、逃げませんよ」って伝えたよ。一歩、遅かったな・・・
あとは、依頼報酬と特別報酬、さらにオークやワイバーンの買い取り料までくれるっていうので、さすがに肉や素材の買い取り代金は辞退した。貸し、だよ「貸し!」。
*依頼報酬 金貨50枚
*特別報酬 金貨500枚
これだけで、感謝です。「ありがとうございます」ってね。
セリーヌからは、また騎士団練習場に遊びに来い、って言われたので、「機会があれば」って答えておいた。
屋敷を出て、なんとなく、「転移指輪」で例の墓場まで移動、「空間察知」全く異常無し。しかも、緑化のせいなのか? もうすでに、きれいに整地された広い草原になっている。こうして見ていると、ここ、いい場所だよ、空気も爽やかだし、風も心地良いな。
今回の護衛、遠征で、またレベルがあがった気がする。
ま、いつまでも、元墓場にいても怪しまれるかな? なので、そうだ、ミキのところで、「錬金」でも教えてもらおう。
「こんにちわ」「・・・なんだあんたか・・・」
まあ、そっけない見た目ばあさん、だよ。
「あのですね? 錬金を少し教えてもらえないかな〜?って思って、来ました」
「何を?今更?、まあ良いけどね」
「ありがとう」
少し間があって、ミキが言うには、つい先日、カナデのものらしき手紙がここに置いてあったそうだ。手紙には、ただ、「ありがとう」だけ。でも、筆跡や魔力残滓が、わざわざ残してあったから、・・・だとさ。
「あんた、知っていたのか?」「イヤ、何も」
「まあ、でも、生きているんだな、良かったよ、昔のことなんて何も気にしてないのにね、また、来てくれればいいさ」
「まあ、よく知らんけど、仲間だったんだな、」
「ああ、そうさ、仲間だよ」
「そうか・・・きっと、あんたの気持ちも伝わるさ・・」
「なあ、今日も、ばあさん、なのか?」 「そりゃあそうだろ?私は170歳?だよ?」
ってまあ、ばあさんのままなんですね。
一通り、錬金の初級本に書いてありそうなことを実演を混ぜて話してくれたよ。
実演といったって、鍛冶錬金じゃなくて魔法錬金だからほとんど道具は必要ない、魔法力とイメージ次第ってことだよ、こんなスキルの錬金で良いのか?って言うから、良いんだよ、そういうのが見たかったんだから、って答えておいた。僕も、少しなら使えるから、ってね。
ミキが実演してくれて、僕が実際にやってみる、そういうのを繰り返していたら、さすがにミキの魔力量が減ってきた? 違うな、「鑑定」ではどこにも異常はないから疲れだね、なので僕の「ヒール」をかけてあげた。
「お前のヒールか?それ、気持ちよく効いてくるな〜、どんだけの魔力量だよ?」
「まあ、適量かな?」
「ふふふ、ありがとう」って、「变化」を解いて、美人なお嬢さんになったね。
「变化も、タダじゃあ無いみたいでね、何年もかけっぱなしだと、やっぱ、魔力を使ってやっているんだってわかるよ」
まあ、そうだろうな、普通、そんな何年も何十年も、かけっぱなしにはしないだろうよ。
いろいろ、楽しい?時間を過ごしたな。
「今日は、いろいろありがとう、また、来ても良いか?」
「駄目、って言っても来るんだろう? 構わない、来てくれよ?」
で、今日のお代は? 「そんなもの要らん」っていうので、
「何か必要な、素材とか持ってくるよ」って言えば、なら、金属とお菓子かな?っていうので、インゴットの、金、銀、銅、ミスリル、オリハルコンを数本ずつと、先日カナデと買ったショートケーキと、あとは、マカロンみたいなお菓子、これどこだったかな? 貴族の屋敷で出てきたのを、複製しておいたもの、を出してあげたよ。
インゴットは、夜な夜な、「錬金」の練習で、「素材作成」で、作ったものだよ。
でもなんだ? 飛びついたのは、貴金属よりはお菓子の方なの? 素直で良い人だよ。
ミキの店をでて歩く、
「なあ、カナデ、良かったのか?顔も出さないで・・・」
「うん・・・・まだ・・・かな?」「そう、ま、好きにしなよ」
で、何でまだ僕を尾行している?
聞けば、ちょうど任務が無いし時間があったから、って何だ?それ、理由になってないな。カナデも寂しいのか?何があったか知らないし、聞く気も無いけど、溝?があるなら、無くなると良いね。
うん?違うな? 僕を尾行じゃあないな、初めからここに居た? そこに、僕が割り込んでしまったってことか、・・・「カナデ、悪かったな、邪魔してさ」「・・・」
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