第10話 墓場の浄化 

🖼 墓場の浄化


今日も、ギルドでオークを10体出して、掲示板で、人気のない依頼を見て、剥がしてそれを受ける。

今日の仕事は、墓場だ。

いつものことなんだけど、最近は特に夜中に出てくるのに遭遇する頻度が高いそうで、「なんとかしてくれ」ってギルドに泣きつかれてきた依頼、ただし、依頼料は安くて、ほとんど誰も見向きもしない、って、まあそうだろうな。


幸い僕は、対処できる術を持っているしね、頑張って受けるよ。

領の西門から出て、公道の向こうの端、山裾に、死体処理場、と言っても、死人や犯罪死人などをどんどん投げ捨てるだけの場所があるだけのことだよ。


夕方に行ってみれば、確かに、いろいろ彷徨っているようだな、これが、暗くなるともっと、増えて来るんだろう。

なので、まずは、「光雨」を一面に降らす、清らかな浄化の雨だよ。

安らかな光の粒がドンドン出てきて浮かび上がっていって、爆ぜて、光となって霧散していく。見ているだけで、清らかな情景だな。変な連中が地中から湧き出て来なければね。


ということで、ゾンビたちですね、「光雨」程度では駄目なほどの怨念持ち?

ウガウガ唸っているけど、まだ、喋れるんかい? 一面を指定して、「光射」、光の筋が降ってきて、ゾンビたちを貫いてゆく。貫かれたと同時に、光の粒となり、ゾンビの腐った肉体も、魂も浄化されていく。光の筋に射抜かれ、光の粒になって、上昇して光となって霧散する。


違う場所から、今度は、スケルトンが湧き出てきている。これらは、死後、かなり時を経て、肉体が消えて、骨になってまで、何かを抱えている連中だ。

とりあえず、「光雨」を降らせる、半分以上は骨が光に変わったが、まだまだしつこく残っているので、「光射」を強めに降らせる。

うん、ほぼすべての骨が光に変わって空中に霧散していった。あとから出てきた、大型のスケルトン以外は。


スケルトン・キングとリーダーたちか? しかもこいつら全員、剣や槍などの武器を持っている、魔物なのにね、死んでまで、魔石を得て、魔物化して、生前の行動をそのまま引き継いで?いるのか?

とりあえず、武器を全部回収、武器、金属だけを念動力で引き寄せて、まとめる。


手ぶらになった大型スケルトンたちに、今度は、「光弾」をぶつけて、砕く、砕く、そこへ、「光雨」を降らせて、湿らせれば、乾ききった骨の欠片が「光雨」を吸い込んで、光の粒に変わっていき、しばらくして、全部霧散していった。

仕上げに、聖魔法の「浄化」「解呪」を一面にかけておく。


ついでに、このあたりの地面を指定して、緑魔法で「土壌改良」して、「緑化」をかける。少し、「促成栽培」で、雑草や薬草の芽が出てきた。ここまでとしよう。


今はもう、死人は火葬処理されるようになって、死体がここに捨てられることは無くなったようなので、ここの地はこれから緑地に変化してゆくだけだ。

今回の依頼は、誰にも完了のサインは貰えないが、まあ、現場を見ればわかるよな、一応、ギルドには、依頼完了報告はしておくけど。


報告した翌日、完了の報酬をもらえた、金貨5枚だって。

あれから、ギルドの職員が出かけて行って、夜まで見て、帰ってきたようだよ、お疲れ様です。何でも、これ僕、Bランクがやったから5枚なんだって、Cランク以下だと、金貨1枚の報酬らしいよ、なら、誰もこんな依頼受けないよな〜。


*ギルド報酬 金貨5枚 墓場の浄化





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