第6話 護衛依頼  

🖼 護衛依頼 


朝から快晴、さわやかな出発となった。

でも、やはり居たよ、騎士団員4人のうち、2人が駄目だね。敵意、悪意丸出し。

しかも、そいつらって、騎士団副長と騎士隊長って、これは、この2人が、今回の護衛の騎士団員数を減らしたな?


半分くらい何事もなく進んだあたりで、一回目の途中休憩だ。

馬車にはお嬢がいるので、そこには「結界」を張っておいて、僕とアンジーは二人離れたところで、魔物を警戒するフリをしながら、話をしている。


まず、正直に、僕が昨日調べたこと、すべてを話し、更に、ここにいる、騎士団員2人は悪党連中の仲間であることも話して、この先、切り通しのところで、盗賊団の襲撃があるけど、どうする?って相談。できれば、アンジーには、お嬢のところを離れないで、「結界」は張ってあるけど、馬車と使用人を守って欲しいこと、僕が前に出て行って、敵を殲滅してきたい、って言ったら、しぶしぶだけど、了解してくれたので、それで実行する。敵の殲滅は僕が率先して行うと。


さて再出発だ。切り通しに向かう。

早速、騎士団員2人が動いたよ、他の騎士団員2人に斬りかかっていった。これ、想定内なので、アンジーが素早く対処、「水刃」で、副長と隊長の腕に深い傷を負わせて落馬させた。そこに、緑魔法、蔓で、束縛、雁字搦めで無力化成功。


僕は、残った騎士団員たちに、これから敵襲があること、あの2人は裏切り者で、敵、と短く話したが、解ってもらえたようだ。突然、斬り込まれて、少し傷ついたようなので、「ヒール」を強めにかけてあげたよ。

それで、これから出てくる連中は、僕がなんとかするから、アンジー冒険者と一緒に、お嬢様と馬車を守ってくれ、って言って、その場から離れた。


ワラワラと、出てきたよ、完全に公道を塞いでいる、通行妨害だね。

見えてる範囲の連中を「加重」で跪かせて、「念動力」で道の端に寄せて集めて、武器、剣、槍などの武器は全部回収、アンジーから複製した「蔓束縛」を使って、全員を一纏めにしてやった。

そこへ、追加で応援の傭兵や盗賊団の残りが来たので、まとめて範囲指定して、「神光・光刃」で全員の意識を狩り、「蔓束縛」で捕縛する。

岩陰で様子を伺っていて逃げ出そうとする偵察隊?の奴にも、「光刃」を飛ばして無力化し、「蔓束縛」で捕縛する。

「空間察知」で気配に注意するも、悪意は消えて、全部終わったようだ。


僕はみんなのところへ戻って、顛末を話して、もう、こんな襲撃は無いはずなので、このまま王都へ向かうか、それとも引き返すか? 騎士団と話していたら、馬車の中から声が聞こえてきて、「今回の働きに感謝します、できれば、このまま王都に行きたい」、っていうので、決まり。残った2人の騎士さんたちの傷も全快していたので、話は早かったよ。


僕が、少し、30分くらい離れたいって言ったら、何故か了承してくれて、しばらくここで休憩する、ってことになったので、あとは、アンジーに任せて、一人、盗賊団アジトに向かう。

アジトには、2人、見張りがいただけなので、「光射」、穴蔵の奥には、金の入った箱が置きっぱなし、なので、全部没収。

ボスが居ないが、きっと、これから向かうところにいるんだろう、そう、リンゼイ公爵家だ。


公爵家に向かい、執務室に入ると、そこに、ちょうど今回の計画を知っている3人が座って話をしていたが、一言も喋ることなく、「光刃」で意識を刈り取り、「蔓束縛」で、一人ずつ拘束して、書類を没収、見渡して、開いたままの金庫から、半分くらい、金貨を没収する。残りは、王国が処分するだろ?

さて仕上げだ。まずここの3人を王都東門の衛兵詰め所前に、没収した書類とともに、「転送」する。


襲撃現場に戻ると、ちょうど休憩が終わったところで、間に合ったよ。

アンジーに手伝って貰って、一かたまりに束縛したのをバラして、一人ずつ、しっかり「蔓束縛」しなおして、再度「光刃」を浴びせておいた。これで、丸一日は目覚めないだろう。

あとは、王都の衛兵たちに任せよう。我々は、早く王都に着いて事の次第を説明すれば良いだけだ。


揺れるので、お嬢様には少し我慢してもらって、御者さんに、急ぎで、って王都に向かってもらう。アンジーは早く走れないので、御者席に乗せてもらった。僕? は、走るよ、馬よりも早くね。


で、王都の東門に到着したが、まあ、解っていたけどね、凄い騒ぎになっている。

と、そんな群衆の中から一人、御老体が走り寄ってきた、オルコット伯爵王都屋敷の執事さんだね。馬車の中で、幸せそうな顔で眠っているお嬢様を見て、涙を流しているよ。

少し騎士さんたちと話をしてすぐに、ゆっくりと門へ向かっていく。貴族専用門から入る、僕達冒険者も同伴できた。しばらくゆっくり進むと王都屋敷が見えてきた。それこそ、使用人たちが勢ぞろいで出迎えだ。


僕達2人も屋敷に通してもらえて客室に案内され、まず、備え付けので狭いのですが、風呂をどうぞって、言われたよ。2人で入ることは出来ないので、先にアンジーに入ってもらってから、僕もゆっくり、さっぱり、させてもらった。


ちょうど良い頃合いに、先程の執事さんがやってきて、使用人さんからお茶とお菓子をいただきながら、つい先程、領の旦那様から手紙が届きました、護衛の方への書状です、って渡してくれたので、2人で読んでいるのだが、まあ、内容は、護衛への感謝と、盗賊団の捕縛感謝、何より、お嬢様の安全への感謝、そんなもので、アンジーも熱心に読んでいたな。


それと、執事さんからは、これは、先に、リンゼイ公爵と盗賊団ボスのお嬢様誘拐事件(未遂)の件が明るみに出てすぐに使い魔の隼を領地に飛ばしていたもので・・って言われて、なるほどね、そういう急ぎの連絡もできるんだなって関心した。


それで、お嬢様は明日は一日、公務で忙しくされるので、お二人は明日一日はゆっくりして下さいって、それと、今日明日の泊まりはこちらで、って言われた。

それで、明後日の朝には、オルコット領へ戻る、そんな予定。

思わず、こんな高待遇に感激していると、隣のアンジーなんてもう嬉しさが溢れまくっているな。客室と言ったってスイートルームで、居間があって、寝室なんて4室もあるからね、これ、贅沢!

風呂? 何回でも入れるよ、お菓子、無くなりそうになるとどんどん追加される。


翌日、アンジーは、「買い物〜」って出かけていった。僕はどうしようかな?

「図書館にでも行ってみようかな・・」って声に出ていたらしく、執事さんが、図書館の場所を教えてくれて、もし、館内に入るならって、ポケットから、コイン?イヤ、メダルだ、オルコット伯爵家の家紋が彫刻されている、を出して、これを出して見せれば平気です、って言ってくれたよ。これ、きっと、凄い? 貴族の特権?みたいなもの? 大切に預からなければ・・・なので、「腕輪収納」にしまう。執事さんが、ホホーってフクロウみたいな声を出したな。


図書館へ行って、「身分証などはお持ちですか?」って言うので、メダルを見せたら、個室に案内されてこの部屋を自由に使っても良いって言われて、良い気になって、いろいろ読みまくっていたら、もう、午後の時間だ。

ありがとう、って切り上げて、次は、冒険者ギルドへ行ってみよう。

カードを出して、買い取りお願いしますって言えば、物を出せというから、大きいのでって言ったら、解ってくれたのか、解体場所に案内された。


オーク2体とワイバーン1体を出して、お願いしますって言ったら、ちょっと待てって言われてしまったので、待っていたら、なんと、ギルド長が出てきたよ、ギンスという名前の人だ、もう言われなくても解ったよ、「鑑定」が勝手に反応したよ、ガントさんの弟さんだよね。で、僕のカードをじっくり見て、兄貴から聞いているが、すごいなお前って、まあ良いけどね。

結局、解体も引き受けてくれて、報酬から解体費用差し引きで、金貨65枚くれた。

あと、まだオークあるだろ?って言うので、なぜ?って聞けば、ここは、王都だ、消費が激しい、オーク肉は人気がある、ってことなので、いくつ? 「じゃあ、4体」との要望なので、追加でオーク4体も出してお願いしたよ。

解体費用ゼロサービスで、買い取り報酬、金貨55枚になった。ありがとう。ってしっかり貰ってギルドを出た。


(王都ギルドで、買取依頼

*ワイバーン  金貨40枚

*オーク 2体 金貨25枚

*オーク 4体 金貨55枚 追加分


まただよ、イヤになるね、王都でも同じか? まあ定番のカツアゲだな、見たからに弱そうな僕だからね、狙われるわな〜。

そこの建物を曲がったら相手しようか。3人組だ。

結局、抜剣して向かってきたので、「風刃」で、片腕切り落とし、片足切断、片腕切断、で「光刃」で魂を狩って、金品は没収。武器は要らないから放置。

結構持っているじゃないか、王都だしね。


*金貨20枚 銀貨40枚 銅貨20枚 (カツアゲ3人組より没収

あとは、冒険者カードの没収、スキル、魔法は、

*夜眼、忍び足、まあ、要らないな。


伯爵邸に帰ろう、メダルを執事さんに、ありがとう、って返却して一安心、部屋に戻って、風呂に入る。

アンジーはまだ帰っていないようだ。お先にごめんね〜〜

で、風呂上がりに、使用人さんがメロンを切って出してくれたので、おいしく頂いていたら、アンジーも帰ってきて、僕とメロンを横目でチラ見しながら、風呂に飛び込んでいったよ。

出てきて、メロン〜〜ってやかましいので、僕の収納から出そうかというとき、使用人さんがメロンを持ってきてくれたよ。どこかで、タイミングをみているのかな、凄い!


じゃあ、明日も朝早いから、って寝室に戻らせてもらった。

ゆっくり寝よう。いろいろあって面白いけど、疲れるわ〜〜

*レベル->100 魔力->160 って結構上がってきてるな


レベルは100しか無いけど、僕の場合、恐らく「神眼」の影響で、一般レベルとの比較がわからない。普通、レベル100ってワイバーン程度なんだけど、戦闘なら、ワイバーン10体でも、瞬殺できるけどね・・・300のドラゴンでも、良い感じで戦えそうに思う・・・まあ、慢心はしないよ。


早朝から、執事さんによくお礼を言って、出立だ。

お嬢様も元気そうで、特に執事さんには懐いている感じだな。

途中、先日の襲撃現場を通っても、綺麗に片付いているし、平和な旅をしている。


もう、オルコット伯爵領の西門ってところで、遠くで冒険者が3人、西の林の中から走って逃げてきている、「空間察知」で、ああ、オーガか、でかい鬼が4体、ドシドシ走って追いかけている。

アンジーに声かけてから、馬車を離れて、「転移」でオーガの目の前に出て、「瞬歩」で、間合いを詰めて、鳩尾に掌底突き。これを、オーガの剛腕を躱しながら4体に決めて、無力化して、「光射」で仕留める。冒険者たちが、走って戻ってきたので、あとはヨロシクって任せて、その場から「俊足」で離れる。あっ、魔石を回収するの忘れた! まあ良いか・・・


急いで、馬車まで戻って、一言、ごめんなさい、して馬車は無事、西門をくぐり、伯爵邸に到着。その場で、執事さんから、依頼票に完了のサインをもらって、お開き。護衛完了。


アンジーと二人でギルドまで歩く、中では、ガントさんが待ち受けていて、依頼完了書類を受け取ってくれたよ。ということで、僕は、さっきのオーガ、気になっていたので、失礼して、倒したオーガの元へ急行、近くまで「転移」して「俊足」で走って駆け寄った。

苦労して解体しようとしているが、あれ、固そうだな。


話しをして、僕が運んであげるからって、Cランクのヒロシって名乗って、オーガたちを腕輪に「収納」して、彼らの名前とランクを聞いて、ガントさんに言っておくからってことで、戻ってガントさんに伝えたよ。Dランク冒険者たちがオーガに四苦八苦していたので、少し手伝ってきた、って、それで、オーガを解体場所に出して、完了。あとはヨロシク。


遠くから、「明日で良いから顔だせよ〜」って、さ。聞こえたよ。


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