第5話 初の貴族依頼
🖼 初の貴族依頼
ちょうど、先程の女性冒険者も、初の貴族依頼を受けるとのことで、僕と2人で、その依頼を受けることになった。何でも、ある貴族のお嬢様を護衛して、王都まで行き、その2日後に、ここオルコットまで戻る、こういう護衛の仕事。
王都内での護衛は不要で、要は行きと帰りの護衛。片道6時間くらいということらしい。
そこで、休憩中だったあの女性冒険者を紹介された。
名前は、アンジー、18歳エルフ、Cランク冒険者 水魔法、緑魔法、得物は魔弓。
彼女もBランク保留らしいが、Cランクのキャリアは長く、ホヤホヤの僕とは違う。
僕も、ヒロシ、18歳、Cランク冒険者、「腕輪収納」持ち、風刃、光射、その他って自己紹介した。
一応、敵意や悪意、などは無いようで、助かったよ、少しの間でもパートナーだからね。
しかも、今日は、たまたま受けた調査依頼で、女性を連れ帰っただけで依頼料がまるまるもらえて、気分は良いそうだよ。
アンジーと少し話して、嫌な感じもしないので、何か?うまくやれそうだ。
出発は、早いな、明後日の早朝ということで、西の衛兵門前に集合。さて、買い物をしよう。
中央市場で、適当に食べ物を買っては「収納」、集めて「収納」、何でも「収納」ってやっていたら、アンジーがやってきて、「ねえ、私、欲しいものがあるんだけど、お金出すから、買ったものを、その「収納」に入れていってくれない?」っていうから、何か?と思えば、お菓子に、飴玉に、果物。
果物は僕も食べるから良いけどね〜、全部買っても、銀貨2枚だったので、まあ、金は僕が支払った。でも、僕は知っているんだ、彼女の実年齢、28歳のお姉さんなんだな。
でも、本人が、18歳って言うんだから、まあ、タメで扱うけどね。
そのあとは、2人で、まあ、色気も何もない、ただの買い物だよ、テントに寝袋、魔除け草に、魔除けランプ、鍋や焼き物用網、食器に水袋、非常食はイヤなので、普通のパンを大量に、干し肉なんてイヤなので、普通の食肉を、ってそうだ、オークなら持っているな、あとは、香辛料に、と、いろいろ。一番高価なのが、胡椒、だよ。試しに、「神物複製」したら、出来た、これ良いね。
もう、夕方だし帰ろう、宿はどこ?って聞けば、ギルドの少し先、っていうから、なら僕もそっち方面だからって一緒に帰る・・・と、同じ宿だった。
シャワーのあと、食堂で、食べながら、少し、いろいろ教えてもらった。
護衛ってどうやるの? 護衛対象ってひょっとして、ここ、オルコットの? などなど聞いていたが、今回は護衛冒険者は2人という、少ないよな、なぜ? それはわからないけど、どうやら、お忍びの旅らしく、あと同行者は、御者兼使用人と、騎士団から4人、ということらしい。何か?訳ありかな? いくら半日の距離で、街道が整備されているとはいえ、伯爵令嬢だろ? まあ、僕がしっかり守ってあげるよ。
ということで、あとは、アンジーの得意魔法について・・・
いろいろ複製できた、
*水魔法 水刃、水槍、水壁、水雨、
*緑魔法 土壌改良、促成栽培、緑化、蔓束縛、
明日まだ一日あるけど、何か?する?って聞けば、もう少し買い物をしたいって言うので、別行動、さて、僕は何をしようかな・・・
翌日、僕は朝から、街道を「俊足」で走っている。事前に王都までの街道を見ておこうか、と思ってね。
確かに、よく整備された公道だよ。真ん中は騎馬や馬車専用で、道の片側が歩行者専用だ。
僕は、通行の邪魔にならないように、「認識阻害」と「気配遮断」をかけて、歩行者道より更に草原側を走っている。他から見れば、草原の草が揺れているな、くらいだと思う。
途中、王都までの中間地点を過ぎたあたりに、山を削った切り通しになっている部分がある。何が駄目か?って、今そのあたりに「悪意」の気配がビシビシ溜まっていることかな。
「気配察知」では、6人、何やらそこで動き回っているので、「気配遮断」のまま近寄ってみる。
話から聞こえてくるのは・・・
明日の、オルコット令嬢誘拐の件、既に、応援の盗賊団を雇ってあるので、夜までには到着すること、盗賊たちのアジトはこの山脈の東の方にあるようだ。
それで、肝心の、この人たちは、明日の計画の首謀者の、リンゼイ公爵の傭兵たち。
今、ここ山の岩陰には、盗賊団に支払うべき報酬の一部、前金が用意されている。
そろそろ、公爵家から、昼食と夕食の食材が届く予定、今夜は泊りがけか?
って、何? そういうことなの? 相手は、魔物じゃなく、こういう連中なんだな。
少し待っていると、予定通りに、公爵家から食材が届いて、明日の手はずの確認が行われて、使者の馬車が離れていった。
後を付いていくと、盗賊団のアジトがあるのを「察知」して、そのまま馬車を追うと、リンゼイ公爵邸に到着。
屋敷の中まで付いて行けば、公爵の書斎かな? に入って、「すべて順調」って報告しているよ、この人、ここの執事だね。この屋敷内で、悪意、敵意が大きいのが、この二人なので、執事も犯罪者ということか。
二人で、書斎を出て、どうやら昼食に向かったようなので、少し探ってみる。
「空間察知」で、執務室全体をみてみれば、机の引き出しに、今回の誘拐の計画書、盗賊団への報酬一覧、過去に何回も、この盗賊団を使っているんだな。
書類はすべて「複製」しておく。
この計画書は良いね、公爵の押印と、盗賊団ボスのサインがある。
下の引き出しには、今回の報酬かな? 金貨の大袋が2個あるので、中身を石ころに置き換えて、金貨は没収する。かなりあるよ。「収納」したら明細にオリバー金貨2000枚って出てる。
*オリバー金貨 2000枚 (リンゼイ公爵より没収)
帰りがけに、盗賊団のアジトも覗いてみる。
うん、まあそれなりに武装した連中が酒飲んでいるよ、奥の部屋にいるのが、ボス、だな。しかし、盗賊らしい姿ではない。
「鑑定」、では、元ダンリル領元領主、ダンリル元男爵。
オルコット伯爵領に併合された、元男爵ということか? 今回のは、復讐?奪還?
それに、リンゼイ公爵が加担している? なんてところかな? まあ、想像だけど。
これは、令嬢は最悪、囮にしたとかじゃないよね〜 それよりも、騎士団か、怪しいな?明日は注意だね。いずれにしても、真正面から、この計画、全部つぶしてやろう。
夕方、宿に戻ると、アンジーが既に帰ってきていて、遅かったな、って言うから、少し、走り込んできたよ〜って答えて、シャワーに向かう。
食事しながら、じゃあ、明日は早朝出発で、朝食無しだからって確認しあって、それぞれ部屋に戻った。
PS. 近況ノート
210・オリバー王国、オルコット伯爵領、行動地図、
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