最終話
やがて飢饉は収まり江戸も小江戸川越も落ち着きを取り戻した。文政六年、コトは白狐の姿のまま雪の日に出る。白狐にとって雪の日は雪から呪力を得られる特別な日なのだ。しかし、この機会を街の人は見逃すはずが無かった。木刀を持って隠れる町の衆。コトは安心しきっていた。雪とじゃれあっていた。その時……。
「今だ!!」
周りから木刀で次々殴られるコト。そして自分が今までしてきたことを人間に去れる時がやってきた。狐の悲鳴が
「やったぜ!これが狐の肝だ。三人で山分けだ!」
三人は狐の肝を喰った。三人の力が
――仲間を殺すとはいい度胸だ
毎日のようにおどろおどろしい声と狐火が出た。川越中で大混乱となり、その後……川越の町人は雪塚稲荷神社を作り
<おしまい>
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