第二話
妖狐が人間の肝を食うという噂はたちまち
――人間の肝を食った狐の肝を食うと長寿になるらしい
コトはそんな噂を聞き流すかのように三富の大地に呪力を放つ。
――これでさつまいもの実も大きくなるであろう。
川越の商人は
コトは夜の川越の街に
「ところで今日は持ってきたかえ?」
「こちらに」
コトが桐の箱を開ける。それは人間の肝を干したものであった。コトは桐箱をうやうやしく箭弓の前に差し出す。
「これがないと我々の呪力が回復せぬからの」
「箭弓様、もっともっと人間を狩りましょうぞ?」
「何度も言うが人間に気を付けるのじゃ。奴らの力を
「はっ」
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