第49話 イメージと違う

 創作論とか、文章の書き方とか。

 世にあふれています。


 教えたがりって、どこの世界にも多いんですよね。


 創作だけでなく。

 スポーツでも。

 ダイエットでも。


 今はSNSで誰もが気軽に、責任もなく発信出来ますから余計に。

 穴を掘れば噴き出す温泉のように、そこかしこに。

 声の大きなのもありますよね、「これでなきゃいけない!」みたいな。

 私のような落選しか経験のないものでも語るのですからね。


 なんて世の中だ!

 いったい、どれを信じたらいいんだ!!


 情報ばっちり。

 頭でっかちになるばかり。


 でもね、実際書いてみると法則通りにはいかないんですよ。


 AIさえ小説を書ける時代です、今は。

 ところが、きちんと法則を踏まえた間違いのないきれいな文章のAIの小説も、まだ人の心は捉えられない。(いずれは……。と、言われていますから、「なくなる職業」に小説家も入るとするとぞっとしますが)


 まして、人のやることです。


 寝ているときに見た夢はとてつもなくおもしろかった。

 これはネタになる! 物語になる!!

 ばっと飛び起き、それを書き写そうとしても、人に伝えようとしても、おもしろくない。

 なんか、違う。

 まるでそのおもしろさを体現できない。

 自分の頭のなかで繰り広げられた物語だったのに。


 絵を描く。

 自分ではすごくうまく描けたと胸を張るも、「画伯」との評価しかもらえない。

 首をひねって、これはこうで、ここがああでと説明するも、向こうのほうがより首をひねる。


 どうにも、イメージと違うことばかり。

 全然、うまくいかない。

 頭では分かっているのにねえ。

 文章や物語の書き方、絵の描き方、世にあふれる指南書の通りにやっているのに。


 書こう!


 そして、見てもらおう!


 いろんなものを。

 ことを。

 物語を。

 文法、法則、きちんと踏まえて。

 ある時はでも、それを無視して。


 とにかく、書いてみる。


 センス?

 それだって、書かなきゃ光らない。

 書かなきゃ、くすんでいくだけ。

 書いて書いて、人のを読んで読んで、それで見付けるしかない。

 自分のセンスを。

 自分だけのそれを。


 自分に言い聞かせます。


 そんなどうでもいい話。

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