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2023年9月3日 01:15
最終話を読ませていただきました。最後まで、小説としてのすばらしさと感激、それによって得られる学びや教訓……ふたつが両立した、ほんとうにすてきなお話でした。スウォンツェさんの治療が終わり、シュユさんが予防の話を始めた頃から、シュユさんは今後……説明を終えたらどうするんだろうという想像がありました。セティフラム領に残るのか、それとも、セティフラム領を旅立ってしまうのか……と。そしてこの最終話でシュユさんがセティフラム領には留まらないということが決定したとき、『ああ、やはり……』という思いがありました。爽やかな納得と感動がありました。このままセティフラム領に留まれば、セティフラム領にとって大きなプラスになることは間違いなかったでしょう。何しろ、ここまでフィルアシス症に詳しい幻療士はシュユさんの他に何人もいないでしょうから。また、シュユさんの領内の活動もとても楽になったはずです。シュユさんがここにとどまると言えば、リュカさんは最大限の援助をしてくれたに違いありません。シュユさんはエデンガーデン辺境伯の令嬢ですから、元々生活に困るということはなかったでしょうが、シュユさんがセティフラム領内で予防活動をするにあたって、様々な手続き上の不都合はなくなったでしょう。ですが、シュユさんはセティフラム領から離れることを選んだ。それはもちろん、リュカさんやベアトリスさん、スウォンツェさんが嫌いなのではなく……むしろ、リュカさんにもベアトリスさんにもシュユさんはすごく感謝しているでしょうし、特に、ベアトリスさんに対しては、良い意味で遠慮の必要ない、いわば『戦友』のような気持ちを持っているのかもしれない……と思いました。だからこそ、『どうかご覚悟を』という言葉も出てきたですよね、きっと。この地には、リュカさんという頼もしい領主とベアトリスさんという、自分の代わりを任せられるひとがいる。だからこそ、シュユさんは旅立つことを決めたのですよね。ベアトリスさんが頼りなかったら……あるいは、リュカさんが協力的でなかったら……シュユさんはまだセティフラム領に留まっていたでしょう。二人をを信頼できるからこそ、その地を去る……シュユさんとメディレニアさんはそうして、『助けを求める幻獣たちの声を聞き逃さないようにする』ため、次の場所に向かうのだろうなと思いました。別れのシーンはどうしても寂しくなりますけれど、でも、この別れはほんとうに爽やかな気持ちで読むことができて。シュユさん、そして、現実の医療関係者の皆さんへの心からの感謝と、自分も他人事ではなく、できることをしていこう……と思えるすばらしいシーンでした。もなか様のこの作品に出会えて、読むことができてほんとうによかったです。ありがとうございました。
作者からの返信
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。読了コメント、本当にありがとうございます。この話を書こうと思った大きな動力源は、フィルアシス症のモデルになった病気の危険性が軽視されているのではないかと個人的に思ったことからでした。予防をできていれば問題ないけれど、予防をしなかったら最悪の事態につながるおそれだってある病気だから、そういう病気もあるんだということを知ってもらえたらなぁ……と思い、そこからシュユという主人公が誕生しました。なので、この話で少しでも何か感じるものがあったのなら、とても嬉しいです。こちらこそ、シュユと旅路を最後までともにしていただき、ありがとうございました。
最終話を読ませていただきました。
最後まで、小説としてのすばらしさと感激、それによって得られる学びや教訓……ふたつが両立した、ほんとうにすてきなお話でした。
スウォンツェさんの治療が終わり、シュユさんが予防の話を始めた頃から、シュユさんは今後……説明を終えたらどうするんだろうという想像がありました。
セティフラム領に残るのか、それとも、セティフラム領を旅立ってしまうのか……と。
そしてこの最終話でシュユさんがセティフラム領には留まらないということが決定したとき、『ああ、やはり……』という思いがありました。
爽やかな納得と感動がありました。
このままセティフラム領に留まれば、セティフラム領にとって大きなプラスになることは間違いなかったでしょう。
何しろ、ここまでフィルアシス症に詳しい幻療士はシュユさんの他に何人もいないでしょうから。
また、シュユさんの領内の活動もとても楽になったはずです。
シュユさんがここにとどまると言えば、リュカさんは最大限の援助をしてくれたに違いありません。
シュユさんはエデンガーデン辺境伯の令嬢ですから、元々生活に困るということはなかったでしょうが、シュユさんがセティフラム領内で予防活動をするにあたって、様々な手続き上の不都合はなくなったでしょう。
ですが、シュユさんはセティフラム領から離れることを選んだ。
それはもちろん、リュカさんやベアトリスさん、スウォンツェさんが嫌いなのではなく……
むしろ、リュカさんにもベアトリスさんにもシュユさんはすごく感謝しているでしょうし、特に、ベアトリスさんに対しては、良い意味で遠慮の必要ない、いわば『戦友』のような気持ちを持っているのかもしれない……と思いました。
だからこそ、『どうかご覚悟を』という言葉も出てきたですよね、きっと。
この地には、リュカさんという頼もしい領主とベアトリスさんという、自分の代わりを任せられるひとがいる。
だからこそ、シュユさんは旅立つことを決めたのですよね。
ベアトリスさんが頼りなかったら……あるいは、リュカさんが協力的でなかったら……シュユさんはまだセティフラム領に留まっていたでしょう。
二人をを信頼できるからこそ、その地を去る……
シュユさんとメディレニアさんはそうして、『助けを求める幻獣たちの声を聞き逃さないようにする』ため、次の場所に向かうのだろうなと思いました。
別れのシーンはどうしても寂しくなりますけれど、でも、この別れはほんとうに爽やかな気持ちで読むことができて。
シュユさん、そして、現実の医療関係者の皆さんへの心からの感謝と、自分も他人事ではなく、できることをしていこう……と思えるすばらしいシーンでした。
もなか様のこの作品に出会えて、読むことができてほんとうによかったです。
ありがとうございました。
作者からの返信
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
読了コメント、本当にありがとうございます。
この話を書こうと思った大きな動力源は、フィルアシス症のモデルになった病気の危険性が軽視されているのではないかと個人的に思ったことからでした。
予防をできていれば問題ないけれど、予防をしなかったら最悪の事態につながるおそれだってある病気だから、そういう病気もあるんだということを知ってもらえたらなぁ……と思い、そこからシュユという主人公が誕生しました。
なので、この話で少しでも何か感じるものがあったのなら、とても嬉しいです。
こちらこそ、シュユと旅路を最後までともにしていただき、ありがとうございました。