応援コメント

3-2」への応援コメント

  • 今回のお話もとても興味深く読ませていただきました。


    印象に残ったところ、そしてもなか様の文章構成がほんとうに巧みだなと思ったところは、フィルアシス症の治療方法を決定する場面です。

    単に『治療』と言った場合、薬を飲むことによる内科的な治療を想像する読者と、手術による治療の二種類を想像する読者、そしてその療法が思い浮かぶ読者……大きく分けて3つに分かれると思います。

    読者の認識がどのパターンであっても、シュユさんが他の幻療士に説明する場面で、『今回のフィルアシス症については、こういう理由で手術なのだな』と納得した上で読んでいけるのですよね。

    しかも、この説明も決して唐突なものではなく、スウォンツェさんを治療するために集まった幻療士たちに説明する……という形で書かれているため、とても自然です。

    実際、スウォンツェさんがフィルアシス症であることが判明し、リュカさんに治療許可をもら、部屋で治療の準備を始めるまでは、ベアトリスさん以外の幻療士はいませんでした。

    一緒に治療の準備をすることで他の幻療士が集まってくれたことを読者に意識させて、
    その上で、シュユさんから治療の手段についての説明を行うことで、読んでいて、はっきり他の幻療士たちがイメージの中に浮かんで来ました。
    そのおかげで、読んでいくごとにその場の一体感が増してくる感じで。

    特別な鉗子で心臓から糸状虫を取り出す手術が行えるのはシュユさんだけであっても、シュユさん一人ではできることには限界があるのでしょう。
    そうでなくては他の幻療士さんを呼んだ意味がありませんものね。

    少しでもスウォンツェさんを助けるために借りられる手は借りる、というシュユさんの、命に対する真摯な姿勢が感じられて、ますます格好いいなと思いました。



    次回を読ませていただくときもほんとうに楽しみです。
    ありがとうございました。




    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    実際の病院でも手術のときは一人だけでなく複数の医師が行うので、ここは幻療士でも同じだろうという結論に至りました。
    フィルアシス症の元になった病気も、外科的手術で治療できる獣医師さんは限られているという情報が出たので、なら余計に手術は複数人のチームでやるだろうな……と思ったからというのもあります。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    ありがとうございました。