応援コメント

2-7」への応援コメント

  • 今回も非常に興味深く読ませていただきました。

    特に印象に残ったのは、フィルアシス症の正体についてです。

    この作品は、幻療士の立場から、病気というものにとても真摯に向き合っているのが感じられてほんとうにすてきだなと思いながら読ませていただいています。

    読み手は病気に詳しくなくても、理解しやすい文章、シュユさんの患者に対する態度や心理描写、パートナーに対しての説明のシーンなどの丁寧な描写で、いつも自然と文章に引き込まれています。

    だからこそ、今回のお話を読ませていただくことで、思わず声を上げてしまうほど驚いたのは、この世界において、それぞれの病気がどのように認識されているかということでした。

    この世界は現代日本ではないことは読み始めて最初の章ですぐにわかることです。
    それが妖精犬のロッティさんであり、幻獣の一角狼メディレニアさんであり、幻療士という職業です。
    最初にこれらの情報を明らかにしていただいたことで、読み手として、作中の世界をたっぷり読んで楽しませていただけました。

    また、シュユさんという優れた技術と高潔な精神の幻療士さんが診療を行ってくださったことで、自然とこの世界のハイレベルな医療のあり方に触れることができていました。

    だからこそ、フィルアシス症が『虫魔』と呼ばれる寄生虫によって引き起こされるものであることをシュユさんが口にした時、リュカさんが驚いたのと同じように、読んでいて驚かされました。

    傷魔や病魔といった作中世界ならではの単語を用いることで世界の解像度がますます上がり、リュカさんと一緒にシュユさんの話に引き込まれていった上で、虫魔という、第三の原因があることを知らされるという構造……

    現代日本においても、寄生虫は脅威として存在しているにも関わらずケガやウィルスなどによる病気に比べると、やや知られていない傾向にあると思います。
    それだけに、シュユさんのこの説明は、異なる世界観を堪能しつつも、現代の知識によって読んだときの衝撃が大きくなる……という、凄まじく巧みな構成で書かれた展開なのだと思いました。

    最後のシュユさんの言葉を目にしたときはもなか様の文章力のすごさに鳥肌が立ちました。


    次回を読ませていただくときもとても楽しみです。ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    フィルアシス症について説明するシーンは、自分でも何度も読み返しました。
    できるだけ専門用語と思われるものはわかりやすくして、どのような病気なのかイメージしやすいように……とモデルにした病気について調べながらわかりやすくなるよう頑張りました。
    また、傷魔・病魔・虫魔という考え方も、この世界でも医療が発達する前の考え方があるはずと思って採用したため、ノイズになっていないようで安心しました。

    また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。