片思いの葬式 / 真並 作

名古屋市立大学文藝部

片思いの葬式 / 真並 作

ずっと好きだった親友が結婚した。

 式が始まってからは確かに祝福しようと思っていたけれど、やっぱりダメだった。逃げるように式場を抜けて裏手にあったゴミ捨て場でうずくまり、奥歯を噛みしめて泣いた。

 ゆーちゃん。ゆーちゃん。

 どうしてそこにいるのは私じゃないの。

 どうして。

 

「ハンカチ、使いますか」

 誰かが私の頭上に影を落とした。ハッとして顔を上げれば、私と同じ泣きらした目と赤い鼻先が見える。佐久間さくまと名乗った男は、新郎の友人代表スピーチをしていたヤツだった。

「……いりません」

「もうぐしゃぐしゃじゃないですか。ほら、僕のあげますから」

「あなたの分は」

「こんなこともあろうかと、予備の予備まで持って来たんです」

 きっちりと折り目のついたハンカチは男の誠実さを表すように真っ白だ。私はおずおずと差し出されたそれを黙って受け取った。柔軟剤の匂いがする。

「タクシーですか?」

「……えぇ」

「割り勘でどうでしょう」

 僕も足がなくて、と佐久間は肩をすくめて言った。そういえばさっきのスピーチで、大阪から遠路はるばるやってきたのだと話していた覚えがある。自分は独り身で寂しい思いをしているから、親友のめでたいニュースが何より嬉しかったと笑っていた。その口元がわずかに引きつっているのに気が付いたのはあの場でおそらく私だけだ。みんな華やかでお似合いの新郎新婦に夢中だった。


 ほどなくして到着したタクシーに二人で乗り込む。運転手は、行き先以外聞いてこない気難しそうなおじいさんだった。かわりに佐久間がべらべら話す。騒がしいラジオの音をかき消すみたいに、佐久間の声は絶えず車内に響いていた。

「ゆーちゃん……勇大ゆうだいとは、中学の頃からの付き合いです。でもホントは小学校の頃から知ってました。クラスのガキ大将みたいなヤツだったから、初めは怖くて近寄らないようにしてたんです。そしたら中学でまた同じクラスになって、席が前後になって……サシで話してみるとすごく面白い男でした。声も態度もデカいけど、華があって愛嬌もある。そりゃあ人気になるよなってすぐに納得しました」

 佐久間は当時を振り返ってくつくつと喉を鳴らした。私は無人の助手席を黙ってにらみ付ける。

「高校も同じです。クラスは高三のときだけ別れました。あとはずっと一緒。彼は文系、僕は理系で学部は違いましたが、結局大学まで同じところに行きました。十年間、斎藤さいとう勇大の親友の座を守り抜いてやったんです」

 ぐん、と車体がつんのめった。運転手が言いづらそうに「すみせんねぇ」と謝罪する。前方の赤信号は、大きなトラックにさえぎられてほとんど見えなくなっていた。

「でも負けた。僕の十年は、ぽっと出のお嫁さんに半年で塗り替えられました」

 勇大と優花ゆうかが出会ったのは新卒で入った保険会社だったらしい。私が二次面接で落とされたところ。あのときの苦々しい思い出までよみがえってきて、鳩尾みぞおちのあたりがキリキリ痛みを主張する。これ以上佐久間の話を聞きたくない。私はシートベルトをぎゅっと握りしめた。

「降ります」

「え、まだ駅まで遠いですよ」

「用事を思い出したの。佐久間さんはこのまま帰って」

 運転手に多めの運賃を渡して停車を促す。繁華街の路肩に停まった車から逃げるように飛び降りた私に、佐久間は「待ってください」と声を掛けてくる。

「僕も降ります。今のあなたを一人にはさせられない」

「――あなたが一人になりたくないだけでしょ」

 気遣うような態度に苛立いらだちが募り、つい語気が乱れる。振り向くと、佐久間は迷子のような顔をしていた。

「僕は……」

「私は、一人になりたいんです。そういう気分なの。だからもう放っておいて」

「でも……中野さんずっと泣いていたし、このまま帰すわけには」

「だから! それはあなたの」

「お客さん、喧嘩するなら降りてからにしてくれません?」

 運転手の呆れたような声に、私たちは口をつぐむしかなかった。はいはい、とおつりまで返されてしまえば扉が閉められ早々に走り去るのを黙って見送ることしかできない。

 結局佐久間ものたのたとタクシーから降りた。

「えっと、僕の分です」

 低いエンジン音が聞こえなくなったところで、佐久間がそっとお金を渡してきた。「割り勘で」と言ったのを律儀りちぎに守ったらしい。一円単位までぴったりそろえられたそれをバッグに直接流し込んだ。もう何もかも面倒だった。

「どこに行くんですか」

「別に……」

「僕も付いていきます。居酒屋ですか? カラオケですか?」

「……佐久間さん。私たち、今日が初対面ですよね?」

 いい加減付きまとうのはやめてほしい。言外にそう伝えたつもりだったが、佐久間はキョトンとした顔で私を見つめている。まばたきを繰り返す垂れ気味の目に、苛立ちをあらわにした私が映っている。

「だって中野さん、好きだったんですよね。ゆーちゃんのことが」

「――っ」

 ひゅ、と喉が鳴る。繫華街のざわめきが甲高い耳鳴りに遮られて遠くなり、またゆっくりと戻ってくる。

「誰が、あいつのことなんか」

 握りしめた手がわなわな震えた。今日のため、そして自分を勇気づけるために飾ったネイルの先が手のひらに食い込む。その痛みが余計に怒りの感情を煽り、髪の毛が逆立つような感じがした。

「わかりますよ。僕も、同じだから……」

 佐久間は目を細めて言った。式場の裏で散々泣いていたくせに、この男はまだ泣くつもりなのだろうか。

 けれど私も人のことは言えなかった。目の奥がじわじわと熱くなってくる。悲しいんじゃない。悔しくて、憎らしくて、呑み込み切れない感情が涙に変わってしまうのだ。抑えようがなかった。

「お仲間同士、お話しませんか?」

「一緒にしないでください」

 再び掴まれた手を振り払うと、「中野さん」とあわれむような声が投げかけられる。不愉快だ。誤解を解くのも面倒で、黙って無視するつもりだったが、もうこれ以上は耐えられなかった。すがりついてくる佐久間を睨み付け、私は吐き捨てるように言った。

「――あなたに私の何がわかるんですか?」

「ですから中野さん、僕は」

「私が好きなのは優花よ。あのバカ男なんかじゃない」




 予約の中野です、と告げて案内された席に何故か佐久間も座っている。繁華街を一番上から見下ろせるレストランでは、黒ずんだ目元の女と白目を真っ赤に充血させた男の二人組は明らかに浮いていた。

「式の後に来るつもりだったんですか? コース料理なんてすごいですね」

 それでも顔色一つ変えないプロの手で、次々と皿が運ばれてくる。見た目も味も最上級だ。優花が、いつか行きたいと言っていた店だった。

「なんで佐久間さんがいるの」

「いいじゃないですか。ちゃんとお金は払いますから。割り勘で」

「……馬鹿ね」

 呆れて口調の崩れた私にも、佐久間は態度を変えなかった。細められた目を見ているともう取り繕うのも面倒になってきてハァとため息をつく。

「しばらく贅沢できなくなるわよ」

「いいんです。どうせ独りですから」

 注がれるワインの水面を眺めながら佐久間は自嘲するように笑った。匂いも味もよくわからない。その価値が値段につりあっているものなのかも知らない。佐久間はどうだろう。顔はそれなりに整っているし、服装にも品がある。袖口からのぞく腕時計は有名なメンズブランド品だ。収入はどれくらいか。何の仕事をしているのか。どんな友人がいて、どんな生活を送っているのか。いくつも質問が浮かんだが、どれも口にはしなかった。片思い相手に失恋した者同士だからだろうか、そういった話を挟まなくても不思議と違和感がなかったのだ。ただ私には佐久間と親しくなりたいわけでもなかったので、遠慮も配慮もする気はなかった。

「いい食べっぷりですね。式でもご飯出されたのに」

「あんなの食べたうちに入らないわ」

「じゃあ別腹? それともこっちはやけ食いですか?」

「うるさい。そうよ、やけ食いしに来たの。悪い?」

 コース料理にやけ食いも何もないが、確かに私の食べ方は「やけ食い」と表せるくらい卑しく映ったかもしれない。運ばれてくる皿を即座に片っ端から平らげていくなんて、他のテーブルじゃなかなか見られない光景だ。対して佐久間はマイペースに手を動かしている。開けた口は小さく、背筋はピンと伸ばされたままで、食器を持つ手に迷いはない。

「悪いなんて一言も言ってませんよ。僕も同じ気分だったんで、助かります。店を探すのも買って帰るのも億劫おっくうだったので」

「ならさっさと食べてさっさと帰りましょう」

「中野さん、せっかちすぎません? もっとゆっくりお話しましょうよ」

「あなたに話すことなんて何もないわ」

「まあまあそう言わず」

 私が黙り込んだすきに、トン、と皿が置かれた。凹んだ中央にひとかけらだけ乗せられた肉には見たこともない野菜が添えられている。メニューはカタカナが多くてよくわからない。でもそれでよかった。

「てっきりお仲間さんかと思ってました」

 キィ、と皿とナイフが擦れる音がする。佐久間は真っすぐ長いまつ毛を伏せてつぶやいた。

「勇大は誰にでもモテるひとだから、中野さんも彼が好きなのかとばかり」

 ありえない。そもそも私は彼のことが大嫌いだった。優花から紹介されたときは平手打ちしてやろうかと思ったくらいだ。

 なぜなら彼は完璧すぎた。非の打ち所がない男に、私はすべてが適わないと悟ってしまったのだ。悔しくて悔しくて、嫌な奴だと思っていないと心が保てなかった。

 ……佐久間の言う通り、明るくて人柄のいい男であることは優花から耳にたこができるくらい聞いていたし、実際に数回話しただけで理解している。だからこそ余計に気分が悪い。

 私は無言で肉にかじりついた。牛肉とは違う独特の臭みが口の中に広がる。もしいまここに優花がいれば、値段の書かれていないメニュー表を覗き込んで顔を見合わせていたかもしれない。「変な味」と手を叩いて笑っていたかもしれない。どれも妄想で、叶わなかった光景だ。肉の繊維を歯でぶちぶちと引きちぎる。

「でも、同じ『ゆーちゃん』が好きだったなんて。これも何かの縁だと思いません?」

 佐久間以外のスピーチでも、新郎・斎藤勇大と新婦・瀬戸せと優花でダブルゆーちゃんだとはやし立てられていたのを思い出す。偶然を必然のように語られるのが気色悪くて、もうその呼び名さえ聞きたくなかった。佐久間も同じだろうに、自傷行為みたいに何度も「ゆーちゃん」の話をする。

「どうして」

 私は耐えられず、口を開いた。肉にかかっていたソースの味が舌の上に残っている。

「どうして佐久間さんは、平気で話せるの」 

「殺したいんです。ゆーちゃんを好きだった僕を」

 佐久間は音を立てずにフォークを置いた。あっさりとした口調で物騒なことを言う。口元にはうっすらと笑みさえ浮かんでいたのに、声にだけは抑えきれなかった感情が漏れ出ていた。

「失恋って時間が解決するとか言うじゃないですか。でも僕、それは嫌なんです。そんな暇があったら次の恋がしたい」

 空になった皿が片づけられる。テーブルには次の皿がやってきて、佐久間は再びナイフを握りしめた。

「時間を無駄にしたくないんです。だから今日だけで終わらせたい。死ぬほど泣いて死ぬほど食べて死ぬほど飲んで死ぬほど話して、失恋した僕を殺してしまおうと思いました」

 佐久間はからりと笑った。

「ねえ中野さん。あなたも一緒に殺してみませんか?」

「……」

「ここを僕たちの墓場にしましょう」

 聞きようによっては、危ない仕事のやりとりとも、過激なプロポーズともとれる言い方だ。普段の私ならドン引きして終わりだったが、今日は疲れていたし、お酒が回って思考が鈍っていたのか、気が付いたら「仕方ないわね」とうなずいていた。

「その前に化粧直してくるわ」




 どろどろになっていた顔面を力技で整えると、憂鬱だった気分が少し持ち直した気がする。一番ひどかった目元は手持ちのポーチではどうにもならなかったので、コンシーラーとパウダーで誤魔化ごまかした。かわりに口紅をいつもの数倍丁寧に塗ってから、席に戻った。

「わぁ、かっこいいですね。綺麗な赤リップだ。素敵ですよ。似合ってます」

「あなた女嫌いでしょ。私も男が大っ嫌いだから、そういうのいらないわよ」

 足を組み、肘をついて見上げれば、佐久間は虚を突かれたような顔を見せた。

「気づいてました?」

「なんとなくね」

「あんまりバレたことないんですけどね……似た者同士、だからでしょうか」

 苦笑する佐久間に、私は今までのことをだらだらと話した。

 優花との出会い。仲良くなったきっかけ。高校時代の葛藤。大学進学とともに訪れたへだたり。就活の失敗。それでも優花にずっと片思いしていたこと。

 この店を予約した理由が、告白のための尻叩きだったこと。

「式の前、控え室に来てって言われてた。私はそこで優花に告白するつもりだったの。あの子がなんて返事をしようが問答無用で連れ去って、一日中デートして、夜景でも見ながら最後はここでプロポーズしようって」

 振られたらそこまで。逃げられたら私が二人分食べればいい。キャンセルはお金がかかるけど、最悪それでもいいと思っていた。

「でも、出来なかった」

 瞬きするたびに思い出す。控え室の優花はあまりにも綺麗だった。幸せの絶頂にいるみたいな顔で、私を見て微笑んだ。私が一番好きな笑顔だった。

 彼女を幸せにしたのは私じゃなかったんだ。そう思ったら、もう何も言い出せなくなったのだ。

「結局式にはそのまま出て、今こうしてあんたといるわけだけど……」

「そうでしたか」

 佐久間はワインを流し込んで私の方に向き直った。に、と細められた目は殺すとか死ぬとか言っていたヤツのものとは思えないほど穏やかな色をしている。

「笑わないのね」

「笑いませんよ。僕もあなたと同じです」

「……そう」

 私も佐久間を真似てグラスを傾けた。高価なワインで潤った喉は、一時間話し続けても乾くことはなかった。

 


 

 会計を終えてスマホを見ると、通知がいくつも溜まっていた。さっき作られたばかりのグループチャットは中を開くのさえ億劫で、左にスワイプして非表示のボタンをタップする。それで終わればよかったが、タイミング悪く上からバナーが降って来た。油断していた指先が触れてしまい、個人チャットのページが開かれる。

「中野さん?」

 分厚い財布から現金を取り出した佐久間は、裸の紙幣をぷらぷらさせながら近付いてくる。

「これ、代金です。……どうかしましたか?」

「優花から。控え室の写真送ってくれって」

「写真なんて撮ったんですか」

「……断れなかったのよ。察して」

「ははは、ごめんなさい」

 へらへら笑う佐久間を軽く睨み付けて、「わかった」と送る。すぐ返信したのに驚かれるかと思ったが、優花からはいつものスタンプが一つ返ってくるだけだ。思わずため息をつくと、佐久間がカツーンと小石を蹴った。

「早めに送って、消した方がいいですよ」

「せっかちね」

「僕たちの頭ってポンコツだから、見たくないものをわざわざ見に行ってしまうんです。脳からしてみれば喜びも怒りも哀しみも楽しみも、どれも刺激でしかありません。刺激が得られるのならなんだっていい」

 歩道から飛び出した小石は車のタイヤにかれたが、砕けずに形はそのままだった。

「だからそんなものさっさと手放した方がいいと思います。少なくとも、僕はそうします」

「写真なんて、山ほどあるわ」

「一括で消せるやつ教えてあげますね」

 そう言うと、佐久間は自分のスマホを取り出して連絡先を送って来た。言われるがままに「友だち」登録をすると、まっさらなトーク画面にリンクが貼られる。

「僕は今朝全部消してきました。本物見たらやっぱり泣いちゃいましたけど、中野さんが聞いてくれたおかげですっきりしましたし」

 僕を殺してくれてありがとうございます。佐久間はき物が落ちたような顔で静かにそう言った。

「……佐久間さん」

「はい、なんでしょう」

「私も、その……ありがとうございました」

 酔いがさめてきた頭で振り返ってみる。朝から最悪続きの一日だったが、豪華な食事にワインを傾けながら「ゆーちゃん」の話をした時間は悪くなかった。

「でもこれじゃ、墓場というより葬式ね」

 もう叶うことのない恋と共に今日までの自分を殺して埋める。そうすれば、明日からはまた新たな自分になって前に進んでいける。佐久間の考えも確かにその通りかもしれない。

 けれど、そうやってすべて清算してしまうよりも、私と優花、佐久間と勇大の思い出を二人で語り合うことが今の私たちには最も必要なことだったのだと思う。

「おかげですっきりしたしね」

 私の独り言は夜の冷えた空気にとけて消えていく。

「どうかしました?」

「……なんでもないわ。佐久間さんは明日仕事?」

「いえ、どうせこうなるとわかっていたので休みです」

「同じね。私も休み」

 空はまだ暗く、終電までは二時間ほど余裕がある。このまま居酒屋かカラオケでもハシゴしようか、と佐久間の方を振り向けば「中野さん」とハンカチを渡してきたときと同じ声で言った。

「すみません、僕アプリでよさげな人が見つかったんで、これからホテル行ってきますね」

「~~この、裏切り者! になれ!」

「いやぁあはは、ごめんなさい」

 謝罪の意などいっさい見られない飄々ひょうひょうとした態度で佐久間が笑う。

「またこっち来るとき呼びますね。一緒に飲みましょ」

「二度とごめんよ!」

 私の叫び声を背に、佐久間は雑踏の中へと消えていった。

「……帰るか」

 二度もタクシーを捕まえるのが面倒で、私は徒歩で駅まで向かった。おろしたてのパンプスは足にあわなかったようで、親指の付け根のあたりにぶよぶよとした感触がある。皮がめくれてしまわないように気を付けながら歩く足取りはひどく重たい。

 なおも通知の止まらないラインを無視し、別のSNSを開いた。ホームのベンチに座り、長いタイムラインをさかのぼって適当にリアクションを送る。合間に「失恋しちゃった」と呟けば、顔も知らないフォロワーから慰めのリプライが来た。ありがとう、に号泣している絵文字をひっつけて送り返す。涙はもう乾いていたので、私はずっと真顔だった。

頭上から無機質なアナウンスが聞こえてくる。人のまばらな電車に乗り込んで、痛む足を引きずりながら一番角の席に倒れ込んだ。ぽこん、と軽快な音がする。

 ――ありがとう! なかちゃんもお幸せにね!

アルバムのアップロードが終わったのか、一番新しい通知がそう告げている。私はスタンプを一つだけ返し、佐久間に教わった一括で写真を消せるアプリをダウンロードした。

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