登場人物の設定や地盤がしっかりした作品です。
作者様が博識なのでしょう、作品内で様々な知恵や学を披露してくれます。それは主人公であったり、その奥様であったり、はたまた別の登場人物であったり……とにかく知識が散りばめられていて、本当に複数の人が『いる』ようだと感じながら読んでいます。
その基本の部分があるからこそ輝くのが、この長編サスペンスホラーです。
文章も読みやすく、説明を省かないからこそ分かりやすく、またこまめに状況を整理してくださるので混乱しにくいです。
スプラッターではありますが、勢いがあって駆け抜けるのが一瞬です。
文章量が多くなってきているのですが、サクサク読めるので迷っている方はぜひ!
描写が細かく非常にリアリティがある。日常の仕事シーンは豊かな知識によるものと思われるし、たっぷりの文章量で描かれた仕事パートでキャラクターの特性としてしっかり植え付けられる。
特筆したいのは序盤の食事シーン/食べ物の描写の上手さ。筆者が好きな食べ物なのか、思わず想像して釣られ垂涎しまう場面があった。
また自分の読むパートはこれより起承転結の承〜転に入ると思われるのでとても楽しみだ。
物事の起こりまで丁寧に書いているため、緩急が効き、異変発生後の各々の立場や立ち回り、発言が際立つ。
またこのシーン以降の描写も丁寧で脳内でキャラクターが動き回るのを感じた。
今後も読み進めるのが楽しみである。