第69話 悪感
♢
涙を流し寄り添いながら帰っていく夫婦達、俯き無言で足早に帰っていく女性、怒りが収まらず壁を殴って出て行く男性。
参加者達は重たい足取りで帰っていった。
皆、香咲 真理に心を
国府は遺族となった人達のことを考えると胸がぎゅうっと苦しくなった。
被害者の会に参加を決意した人達が、どんな辛い思いでこの場所に来たのか考えていた。
(藁をもすがる思いで勇気を振り絞って足を運んだに違いないのに)、
(心の救いに少しでも繋がればいいなと小さな期待をもって来た人もいたに違いないのに)、と。
自分は助かったからそれで良いという訳がない。
仲間を失った喪失感や、いつ殺されていてもおかしくなかったあの悪夢。
時間が経った今でも、昨日のことのように甦ってくるし、心に負った甚大なダメージは完全には癒えない。
しかし、あの香咲 真理という女は、全てを踏みにじった。
なぜ香咲はあんなに態度を豹変させたのだろう。
『ペテン師』と言われたことが相当プライドを傷付けられたのか。それとも霊的な何かが影響したのか(憑依されたとか?)。
いや、多重人格者だったのかもしれない、と国府の頭の中では様々な想像が交錯した。
確かに香咲の能力には驚かされた。
ただ、その能力が現実離れしていたせいか、参加者達にとって、あまりウケが宜しくなかった。
『インチキだ!』と思う人も出てくるのはわかる気がした。
――――(宜保 愛子や、下 ヨシ子のように霊能者として知名度があり、また世間からの評価や支持が高い人なら、何を言われても信じてしまうかもしれないが‥‥)
だが、香咲 真理に関しては無名かつ活動の実績も不明。
あのような能力をお披露目されても、説教を生業としている立場の人間が、あのような態度をとるのはどうかと思った。
♢
大会議室には国府、八城、鮫島、阿古谷、奥原の5人だけが残った。5人はひとつのデスクを囲むようにして座った。
今日の大会議室の利用スケジュールは元々被害者の会だけだったようで、17時までは自由に利用できるとのことだった。八城が受付で利用の延長を申し込んできてくれた。
「皆、少しだけ話せますか?」
八城は4人に訊いた。
皆が頭を縦に振ったのを確認して、「この被害者の会、どうでしたか?」と話を切り出した。
「最悪だったね」
阿古谷は頬杖をつきながら不機嫌そうに答えた。
「こんなの被害者の会でもなんでもないですね」と国府。
「あの女何もんだ?」
鮫島は腕を組んだ。
「ただの性悪女じゃん」
阿古谷はそう言って嚙んでいたガムを膨らませた。
「俺はあくまで捜査の一環として参加させて頂きましたが、ひどい会でしたね。人の気持ちなんて何も考えていませんでしたよ」
奥原は手帳を鞄にしまった。
「確かに皆さんの考えることは同じでしょう。ですが、あの香咲 真理という女、ただ者じゃないですよ‥‥」
八城は顔を顰めた。
「まぁあの女が只者じゃないってのはわかるけどよ、八城、あの写真が出てからなんか様子変じゃなかったか? なんか知ってんだろ? 話してくれよ」
鮫島はスクリーンに兼水 久子の写真が映し出された時、明らかに動揺していた八城のことを思い出した。
国府と阿古谷は「え?」という顔で八城を見た。
「‥‥えぇわかりました。大学1年の頃の話に遡るのですが、僕は医学部の友人達と一緒に『オカルト研究会』というサークルを趣味で立ち上げました。講義や課題が終わったらみんな部室に集まって、始めは怖い話を交互に話し合ったり、ホラー映画を鑑賞して感想や批評を言い合ったりして、評論家ごっこを楽しんでいました」
八城はまさかこの場で大学時代の、しかも趣味程度で立ち上げたサークルの話しをするとは思いもしなかった。
「へぇ、八城さんってオカルト系興味あったんですね。俺も殺人現場のリアル怖い話ネタとかありますよ」
「おい奥原、今そういう話してねぇだろ」
鮫島は奥原にツッコミを入れた。奥原は「あはは、ですよね~」と笑ってごまかした。
「いえ、良いんですよ。今度そのリアルネタ聞かせてくださいね」
八城は言うと、奥原は親指を立てた。
「はぁ~、趣味わるー」
阿古谷は溜息をついてそう言った。
八城は話を続ける。
「メンバーは皆本当にオカルト好きな人達ばかりで、それからの活動では実際に心霊スポットに行って検証や撮影をしたり、過去に起こった殺人現場や廃墟に行ってみたりと活動範囲を広げていきました。2年の夏には心霊スポット巡りという名目で夏合宿も行いました。オカルト研究会として活動する以上、ただ行って終わりではなく、行った心霊スポットに対して撮影した動画や写真、リサーチ情報などを参考に論文を作り、心霊科学協会などの専門機関に発表を行ったりもしました」
「へぇ本格的な活動ですね。僕のいた大学の文科系サークルなんて飲みサーでしたよ」
国府は感心した。
「僕らももちろん飲んでましたけどね。オカルト研究会に
「お前よりも頭がきれる奴ってことか?」
と鮫島は訊いた。
「そうですね。彼は天才でした。大学6年間も常に成績トップでしたから。そんな石動はオカルト分野でも研究熱心だった。俗にいうマニアというやつですね。世界の呪物を調べていたり、ミシェル・ノストラダムスの大予言の研究をしてみたりとサークルを盛り上げてくれました。そして、ここからが本題なのですが、写真に出たあの兼水 久子についてです‥‥」
4人は八城の話に集中した。黙って耳を傾ける。
「3年のある日、石動と世界中の霊能者について調べていたことがありました。霊能者に関する記事や情報はだいたい調べたら出てくるものです。その時、日本の霊能者を調べていた時に『兼水 久子』の名を、偶然ある記事で取り上げられていて、初めて名前を知りました。石動も兼水 久子についてはよく知らなかったようで、それが逆にマニア精神に火を点けたのか徹底的に調べていました。ですが、久子についての詳しい文献や記録はほとんど出てこず、写真すら出てきませんでした。別のある文献で、たまたま『日本初の霊視力開眼 兼水 久子』という記事をやっと見つけたのですが内容は薄かった。実在したのか不明とまで書かれていました。ただ、気になったのは、記事によると兼水家は脳梗塞での死亡率が多かったようで、久子自身も孫の兼水
「脳梗塞‥‥」
奥原は呟いた。
「えぇ。情報はその程度しかなかった。あと久子には側近のような人物がいたそうです。その人物は久子に殺されたとも書かれていました‥‥」
「側近? 兼水 久子ってそんな偉い身分の人だったの? てかなんで殺したの?」
阿古谷は訊いた。
「うーん、事実はわかりません。謎多き人物ですから。石動とは、『兼水 久子』を研究テーマにした内容をオカルト研究会で発表しました。もちろん他のメンバーでも知っている人はおらず、結構盛り上がったんですよ。結果として、このようにまとめました。
――――実在したのかは不明。明治版卑弥呼か。もはや存在自体が都市伝説。もし実在したのなら、霊視を通じて人々に祈祷のような活動を行っていた可能性あり。占い師、祈祷師に似て非なるものか。霊視眼を開眼した経緯も不明。生まれつきだったのか。霊と会話ができる。
なぜ脳梗塞での死亡者が多いのか。なぜ久子も脳梗塞で亡くなったのか。
霊視眼を使うことでのリスクか代償か。脳に大きな負担がかかるのかもしれない。または失明。霊視をすることは眼にも大きなリスクがある―――
とか、確か‥‥そんな感じの研究結果を記事にまとめた記憶があります。
僕があの時驚いたのは、石動と一緒に研究した結果、『実在したかは不明』と定義付けた人物を、香咲が存在したことを証明したからです。しかも香咲は、兼水 久子と血が繋がっているなんて。石動にこの事実を伝えたら腰抜かすかも。おまけに香咲は兼水 久子について書かれた書物も持っている。驚く顔が想像できるくらいです」
「なるほど。だからあの写真見たとき、幽霊でも見たかのような青ざめた顔してたのか」
鮫島は八城が動揺を見せるなんてことは出会ってからほとんど無かったから、ようやく合点がいった。
「そんな顔してましたか」
「してたね。お前があんな顔するなんてな」
「香咲 真理も霊視を使えたのはやっぱり兼水 久子の血筋のせいなんですかね」
国府は素朴な疑問を投げかけた。
「覚醒遺伝‥‥という遺伝性質があります」
八城は顎に手を添えて言った。
「カクセイ、イデン?」
国府は頭を傾げた。
「はい。遠い先祖の能力や性質がいきなり開花したりすることです。雑な例えにはなりますが、文系の家系に生まれた子が、曾祖父が医者だった場合、いきなり理数系の分野でも才能が開花し医者になったとか、まぁそんなイメージです」
「そういうことですか。なら香咲 真理は遠い先祖である兼水 久子の霊視能力が覚醒遺伝している、ということですね」
「そう考えるしかありませんね。でも香咲はその霊視能力を凶器に変えた」
「うち霊とかそういうの信じないタイプなんだけどさ、ホントにあるんだね。関わりたくないわぁ」
阿古谷は言った。
「あ、そういえば阿古谷さんは幽霊とか苦手でしたっけ」
八城はにこっと笑みを浮かべてそう訊いた。
「はぁ!? 違うし」
「うそつけ」
鮫島も揶揄うように言った。
「うーっさい」
阿古谷は鮫島をぎろっと睨んだ。
「まぁまぁいいじゃないですか。誰だって得意不得意ありますから」
奥原は阿古谷をフォローする。
「ふんっ」
両腕を組んだ後、脚を組み、意地を張る阿古谷。
隣で国府はまた始まった、と思いつつ少し気が紛れた。この皆のやり取りを見たのも久しぶりだった。
(もしここに宗宮さんもいたら、大声上げて、両手で体を抱えながらくねらせていたんだろうな。隣で棚橋さんは呆れながら眼鏡のエッジを触ってたりしてて、鮫島さんには『うるせーよ』とか言われてさ‥‥)
そう思った。想像するだけで涙が込み上げてきそうだった。
「すみません。話を少し脱線させてしまいましたが、僕は今日この被害者の会に参加して感じたことがあります」
八城は顔を曇らせた。ほつれた糸がぴんっと張りつめたかのように、場の空気に緊張が走る。
「香咲は、
4人は今の八城の言葉に核心をつくものを感じた。
『確かに』、と。
ただ、八城の考えが本当なら、国府はひとつの疑問が湧いた。
(じゃあ何のための会だったんだ? 何のために自分達はここに集められたんだ?)
「ねぇそれってどういうこと?」
真っ先に疑問をぶつけたのは阿古谷だった。
「はい。結論から申し上げると、この会には何か全く別の目的があったんじゃないでしょうか?」
八城はその質問待ってましたと言わんばかりに仮説を立て始めた。もはや推理だ。
現にダイドー事件に巻き込まれた時に立てた八城の仮説は、ほとんどが的中していたし、状況把握能力や相手の心理を瞬時に紐解く能力は抜群に優れている。だからこそ国府は、八城の話す仮説は絶対に聞いた方が良いと思った。
「なんだよ別の目的って」
鮫島は言った。
「はっきりとわからないですが気になることがありまして。逆に皆さんからも聞きたいのですが、この会で香咲 真理が霊能力を使ったということ以外で何か気になったことはありませんでしたか?」
「そりゃありまくりでしょ。参加者の気持ちを踏みにじるわ、体が金縛りにあったかのように動けなくなるわでマジでむかついた!」
阿古谷は食いつくように言った。
「俺はこの被害者の会で行われたことは細かくメモに残しました。本当はボイスレコーダーの方が楽だったんですが、近くに立ってた女スタッフが、俺が警察官だって気付いてたのか、ちらちらこっちを見てくるのであからさまな態度を取るのはやめておきました」
八城はふたりの話を聞きながらふむふむと頷く。
「僕は初回がこんな状況になって2回目、3回目の会が開催されるのか気になりました。もう誰も来なくないですか?」
と国府。
「俺もある。兼水 久子の写真がスクリーンに映し出された時のことだ。あの女、動揺する八城を見て微笑んでやがった。気のせいかもしれねぇけどな」
鮫島が言うには、あの笑みはどこか不自然だったそうだ。
「皆さんありがとうございます。そうですね、まず国府さんが言う今後の開催についてなんですが、恐らくもう開催されることは無いと思います」
国府は「えっ」と声を漏らした。
「何かの目的を達成したからなのか、最後はいい加減な形で逃げ去るようにこの会を強制終了させました。香咲が立ち去る前に『私の役目は終わりました』と言ったの覚えていますか?」
八城はスマホを操作し始め、画面を4人に向けて見せると、4人は顔を顰めた。
――――NOT FOUND
「これって‥‥ん?」
奥原は言葉を詰まらせた。
「えぇ。QRで読み込んだ申し込みサイトの履歴を開いたんですが、今はもうこんな感じです。ホームページ自体が無くなっています」
「まさかっ」
阿古谷はそう言って、何かを思い出したかのように慌てて自分のスマホを操作し始めた。すると、「ねぇ見て!」と声を張ってスマホ画面を皆に見せた。
――――NOT FOUND
「慰心の会の公式サイトまで消えてる‥‥」
阿古谷は囁くように言った。
「え、どういうことですか!?」
国府は困惑した。
「ふーん、なるほど。やはりそういうことですか」
八城は何かに気付いた。
4人は八城にまた注目する。
「そもそもNPO社会福祉法人 慰心の会はフェイクカンパニーだったということです」
「フェイクカンパニー?」
国府にとって聞き慣れないワードだった。奥原は無言でメモ帳とボールペンを鞄から取り出した。
「はい。簡単に言うと嘘の会社ってことです。もっというと、今回の被害者の会を開催するためだけに創られた会社だったんです」
「なぜそこまでする必要があったんですか?」
「会社で運営する会だという信用を得るためですかね。そうすると多くの人が集まりやすいですから。あのチラシに『NPO社会福祉法人 慰心の会』という法人名と、代表の香咲 真理の名前と顔写真を載せておくだけで、ちゃんとした会なのかもという錯覚が生まれます。それが知らない会社であればあるほど、そのチラシを見た人はネットでどんな会社か検索するでしょう。僕も検索しました。活動実績など載ったちゃんとしたサイトが出てきました。つまり僕も信用してしまった人のひとりということです」
「それならさ、なんで2回目以降の開催をわざと無くすようなマネしたわけ? 沢山の人に参加してもらうことが目的なら、あいつらのやった行動って矛盾してない? 信用もクソも無いじゃん」
阿古谷は眉間に皺を寄せた。
「確かに阿古谷さんの言う通りです。となると、参加人数は関係なかったということになります。どうしてもこの会を開催したかった何か別の理由や目的があったんだと思います。この1回目の会で、その目的が達成されたと仮定すれば筋が通ります。2回目以降の開催はもう必要なくなった、だから参加者に対してあんな態度を取ってもどうでも良かったと‥‥。香咲は始めっから被害者のことなんて何も考えていなかったんですよ」
「何が目的だったんだ‥‥」
奥原はメモ帳に『目的(X)』と書き記し、ボールペンでぐるぐるぐると丸で何重にも囲った。
「それだけはどうしても見当がつきません。未だにダイドー事件を起こした首謀者達の目的も不明ですし。ですが、僕が気になったことは、香咲はひとつ嘘をついたことです」
八城の表情が曇った。
「嘘?」
「はい。鮫島さんが香咲に怒号を飛ばした時です。ダイドーで何が起こったのか、遺体はどこに消えたのか、という話になった時のこと皆さん覚えてますか? 鮫島さんはあの時『大量の遺体は処理された』としか言っておらず、羊の話は一切していませんでした。ですが、香咲は豹変した後、『遺体は喰われてきれいに無くなった』と言ったんです」
「あぁ!」
八城、阿古谷、奥原は声が揃った。鮫島は表情ひとつ変えず八城の話に集中していた。
「香咲は最初自分で『私はダイドー事件の当事者ではない』と言っていたのに、です。ではなぜ遺体が喰われて処理されたことを知っていたんでしょう?」
「確かに。俺は羊の話はあえて伏せたはずだ」
と鮫島。
「言われてみればそうですね」
奥原はそう口を開いて、ペンを走らせる。
「結論から言います。僕は、香咲 真理が首謀者達と裏で繋がってるんじゃないかと疑っています」
この八城の仮説を聞いた4人は目をがっと見開いた。
国府もまさかとは思ったが、八城の話を聞いていると全て辻褄が合っている気がした。
「あの女もグル‥‥。ナメてやがる」
「その可能性が高いかと思います。とは言え、彼女を追う術もありませんがね」
(だから八城さんは香咲が会場の外へ出て行った時、追いかけようとしたのか)
と国府は思い返した。
「もしあの性悪女がグルなら話は変わってくるね。だってさ、ダイドー事件からようやくうちら解放されたと思ってたのに、ヤツラの仲間に接触したってことだよ!? マジでぶっ飛ばしておけば良かった」
阿古谷はこの状況がどういうことなのか自分なりに分析した。
「はい、阿古谷さん気付きましたね。そういうことです。つまり、香咲が首謀者の仲間なら、僕らは敵を刺激してしまったことになります。今後、何かしらの形で仕返しがあってもおかしくない」
「ちょ、ちょっと待ってください。どういうことですか!?」
国府は動揺を隠せなかった。
すると、阿古谷は国府の目を見て口を開いた。
「簡単に言うと、首謀者にとってはあの5体の殺人鬼は何かしらの実験体だって仮説立てたじゃん? でも、うちらでぶっ殺したじゃん? つまり奴らの計画をぶっ壊したことになるよね。阻止したっていうか。でもそれを香咲がこの会で知ったとなれば‥‥ね? そういうこと」
「まだ終わっていない‥‥ということですか?」
国府は八城にそう訊いた。ようやく戻りつつあった平穏な日常が、また奪われるのではないかと不安になった。
「あくまでも可能性の話です。ですから今後も僕らは繋がっておいた方が良い。国府さん、ライン交換しましょう。僕らのグループラインに招待します」
八城はスマホ画面にQRコードを表示させた。これを読み取ったら友達として繋がるのだ。
「はい。是非!」
国府は二つ返事で招待されたグループラインに参加した。
グループ名には『八城会』と書かれていた。グループ名は鮫島が適当に考えたらしい。八城は相当嫌がっていたそうだが、しぶしぶ承諾したんだとか。
八城 伸がチームリーダーというか、軍師というか、そのようなものにふさわしいと納得できる。
国府にとって、この4人はある意味能力者みたいなものだ、と思った。
・八城の状況把握分析能力と知能
・鮫島のパワー系能力
・阿古谷の格闘センス
・奥原の警察組織という国家権力と拳銃での命中率。
各々の才能、能力を駆使し、一人一殺であの5体の殺人鬼を倒した猛者達だ。
香咲や首謀者らが何かしらの形で攻撃を仕掛けてきたとしても、この人達と繋がっていることが大きな安心感に繋がった。
「何かあればすぐにこのグループラインに連絡してください」
「わかりました」
「では、そろそろ解散にしましょうか」
八城はそう言うと、その時、
「あの‥‥解散の前にちょっといいですか?」
奥原が周囲の様子を気にかけながらそう言った。
第70話へ続く・・・。
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