第52話 死闘~ 鮫島 龍仁 VS 馬【後編】

 鮫島は影すら残さないほどの速さで馬の目の前から消えた。

 馬は鮫島を目で追うことができなかった。

 背後の鮫島の姿に気が付いた時には、すでに斬られていたのだ。


 シュパッ! 


「‥‥‥!?」

 馬は胸部を斜めに斬られ、血が噴き出た。

 馬は咄嗟に逆手のまま横から弧を描くように振り抜いてきたが、その時にはすでに腹部を斬られていた。


 シュパッ!


 馬は血を噴き出しながら怯む。鮫島の電光石火のような動きに圧倒された。


「フシュゥゥゥゥ‥‥」


 シュンッ! シュパッ!!


       シュンッ! シュパァッ!!


 鮫島の瞳孔は鬼のように開いている。

 その両眼で馬の俊敏な刀捌きを捉え回避していく。脇腹、肩へと斬り裂き追撃した。


 そして、次の瞬間、 


 ヒューーーーーーーーーーーーーーーーッ!! 


「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!」

 鮫島は風を切る光矢の如く馬の心臓を目掛け、切っ先を真っすぐに向けて突っ込んでいった。まさに一筋の光線。


 それを馬は、咄嗟に太刀のしのぎ(側面部)を使って防御。


 キィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!


 バチッ  バチチッ!  バチチチッ!!


 火花が散る。


「ウォオォォォォォォォォォォォッ!!」

 馬は唸り声とともに鮫島の刀を薙ぎ払った。


 キシィィィンッ


「ぐはぁっ」


 ガシャアァァァァァァン! ガタガタガタンッ!!


 鮫島は反動で吹っ飛ばされ、カート置き場の連ねられたカートに激突した。


 一方、馬も鮫島の凄まじいその威力に押され吹っ飛び、床に背中を強打して転がっていった。ふたつの強大なエネルギーがぶつかり合い、膨張して内部破裂したかのようだった。


 馬はすぐさま立ち上がり、鮫島が吹っ飛ばされたカート置き場の方に向かって歩き出した。

 鮫島は、馬の強靭な筋肉と大柄な肉体の前では、致命傷を与えることはできなかった。しかし、もしあの一撃で心臓を貫いていたら勝負はついていただろう。



 のそっ、のそっ、のそっ、のそっ、のそっ、のそっ、のそっ、、、


 とその時、


 バァンッ! ―――――ガッシャアァァァァァーーーーーンッ!! 


 馬は足を止める。


 カートが1台スーパーの方に吹っ飛んでいった。

 馬はその吹っ飛んでいったカートを、まるで流れ星でも見るかのように目で追っていた。

 鮫島は足元にあったカートを蹴り飛ばしたのだ。散らばったカート内からゆっくりと姿を現す。

 馬は鮫島に焦点を戻す。

 鮫島から異様な雰囲気が放出されている。


「オマエノ ツヨサ ミトメヨウ ダガ ココマデダ シヲエランダ オノレヲ ニクメ」

 馬は重心を落とし構え直した。


「殺す」

 鮫島は疾風迅雷の如く馬に向かっていった。


 馬は構えを解き、


 ザザザッ———、馬はレインコートをビリビリに破き捨て、筋肉質な上半身が露になった。


 と、その時、

「なっ!」

 鮫島は倒れ込んでしまった。

 自分の身に何が起こったのか理解できなかった。馬の上半身が視界に入ってから突発的がめまいが起こったのだ。


「オマエハ モウ ウゴケナイ‥‥」

「くっ、お前、その模様は‥‥‥」

「サメジマ オマエハ ワタシニ シュウチュウ シスギダ‥‥」


 馬の胸部から腹部にかけて、白と黒で渦巻きのような模様が彫られている。それはタトゥーなのかはわからないが、不気味な模様である。

 確かに、ずっと直視していると頭がおかしくなりそうな模様だ。左右の上腕には目玉のような模様も彫られている。発達した胸筋にその模様が彫られていることでより一層際立って見える。


「く‥‥」

 鮫島は刀を床に突き刺し、両膝をついて上体を起こしたが、めまいで立ち上がることができない。視界がゆらゆらと歪んで見えてしまう。刀を握る右手は震えている。


ヲミタ オマエハ ノロワレタノダ」


「呪われた、だと‥‥‥」

 鮫島は馬を殺すことに全集中していたことで、馬の上半身に彫られたタトゥーを直視してしまったのだ。



 ——『死紋』——

 それは昔、北海道のある山奥に、第二次世界大戦以前から存在したとされる『クネ族』という部族が住んでいたそうだ。

 クネ族は非常に排他的な民族で、暗い山奥で静かに自給自足で生活を営んでいた。仲間の証として、体には渦巻のようなタトゥーを入れており、外敵から身を守るため目くらましなどの作用があったとされる。 

 第二次世界大戦終結後、アメリカ人兵士からの迫害や虐待を受け絶滅したという。しかし、クネ族は攻撃を仕掛けてくるアメリカ人兵士に対し、体に彫られた渦巻のような不気味な模様を露わにして、武器を持ち抵抗した。

 その模様を直視してしまった一部のアメリカ人兵士は、めまいや嘔吐、発作などを引き起こした者もいたそうだ。

 その被害にあったアメリカ人兵士が家族や日本人へ語り継いでいき、その噂を耳にした民族学者の中では、研究する者もいるのだ。日本民俗学の父とも称された、あの柳田 國男氏もそのひとりだったとか。

 あるアメリカ人兵士は言った。

 「あれは呪いだ。何日も悪夢に襲われた」、と。

 民俗学上、クネ族が語り継がれている所以としては、体に入れた部族独自のタトゥーで相手を翻弄することができる『死紋』と言われる呪いを、唯一扱うことができることにあった。

 実際は、クネ族が実在したかどうかは今となっては都市伝説となっているが。

 そのクネ族のものに似たタトゥーがなぜか馬に施されていたのだ。馬の渦巻のようなそのタトゥーがクネ族と何か関係があるのかは一切不明である。




「オワリダ‥‥‥サメジマ」


「ふっ気味悪ィーな」

 鮫島は意地でも立ち上がった。

 刀を床から抜き、切っ先を馬に向けた。

 足元がふらつく。

 呼吸が上がる。

 焦点を馬に集中させるとまた、不気味な渦巻模様が網膜を刺激してくる。


「トドメ ダ」

 馬は体を回転させながら大きく飛び跳ね、頭上から刀を大きく振り下ろしてきた。


 キシィィィンッ!


「くっ」

 鮫島はふらつきながらも刀で防御した。


 しかし、馬はまた大きく飛び跳ねて、回転しながら刀を振り下ろしてくる。まるでバウンドしたボールのように。


 キシィィィンッ!


        キシィィィンッ!


                キシィィィンッ!


                       キシィィィンッ!


「くっ」

 鮫島は馬の人間離れした変則的なアクロバット攻撃に圧倒され、防御していた刀が弾かれてしまった。頭上を見ると、馬は刀をすでに振り下ろしていた。

 そして、



 ―――シュパーーーーーーーーーーッ!!



「うはぁあぁぁ!!」

 鮫島は馬の振り下ろしてきた斬撃をもろに受けてしまった。


 プシャーーーーーーーーーッ!


 血が噴き出し床が赤く染まった。

 鮫島はそのまま倒れそうになったその時、

 タンッ! っと、馬が目の前で着地した。


「なっ!」

 鮫島は馬のマスクの目と合った。


 バゴォォォォンッ!! 


 馬は、鮫島の斬られた胸部に強烈な回し蹴りを打ち放った。


「ぐはぁっ」

 鮫島は吹っ飛ばされ、仰向けのまま動かなくなった。


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 馬は、倒れた鮫島をじーっと眺めている。


「あ‥‥‥‥‥ぁ‥‥」

 鮫島は細い声を漏らす。


「フフ‥‥‥、フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 馬は哄笑した。

「シブトイヤツダ ムシノイキダガナ‥‥」

 馬はそう呟き、倒れて動かない鮫島に近づいていった。


 のそっ、のそっ、のそっ、のそっ、のそっ、のそっ、、、


 鮫島は傷を押さえながら上体を起こそうとした。

「俺はここで、死ぬわけには‥‥いかねぇ‥‥‥」

(がはぁ)

 鮫島は嘔吐した。

 血が混ざっている。

 めまいも取れない。

 視界が歪んでいる。———馬が近づいてくる。


「イマ ラクニ シテヤル‥‥」

 馬は太刀を肩の上に乗せながら向かってくる。



 その頃、フードコートから国府と海藤は片膝をつきながら顔を出し、歩行スペースに目を向けていた。

「国府さん、鮫島さんがっ!」

「えぇ‥‥」

 国府は馬を凝視しながら言葉を漏らす。

「どうします。馬の野郎めちゃくちゃ強いですよ」


 ♢


 ~15分前~

 羊を抹殺した後、海藤はずっと宗宮を抱き寄せたまま泣き続けていた。

 国府はそんな海藤に寄り添ったが、海藤は口を閉ざしたまま宗宮を離さすことはなく、かける言葉が見つからなかった。

 しかし、海藤はばっと顔を上げ、国府に目を向けた。

「国府さん‥‥」

 涙で顔がぐしゃぐしゃになりながら国府の名前を漏らした。

「えぇ‥‥残念です‥‥‥‥」

 国府も歯を食いしばった。

「国府さん‥‥生き残った僕らは、何をすべきでしょうか」

「‥‥‥‥‥‥」

 国府は俯く。

「まだみんな闘っているんでしょうか」

「恐らく‥‥。閉鎖が続いてるということはヤツラをまだ倒せていないということですよね」

「俺らは生きて絶対ここから出ないと」

「えぇ。ただ羊を倒しても他のヤツラも全員倒さないと‥‥、みんな苦戦してるかもしれない」

「国府さん、体は大丈夫なんですか」

 海藤は国府の脇腹が血で滲んでいるのを見て心配そうに訊いた。

「動けはします。ただ、肋骨が何本かやられていますね」

「やはりですか‥‥。あんな打撃を受けたんですからね。国府さんももうだめなのかと思いました。めちゃ心配しました。生きててくれて本当に良かった」

「気を失いましたが、なんとか一命は取り留めました。海藤さんの声が僕の中で響いていましたから。それで意識が戻されたというか」

「国府さん、俺はまだやらなきゃいけないことがあります」

「多分ですが、自分も同じことを考えています」

「え?」

 海藤は目を丸くした。


「加勢です。歩行スペースでは鮫島さんが馬と対峙しているはずです」

「国府さんその体で大丈夫なんですか!? 動かない方が‥‥」

「こんなところで悔いは残したくありません。どうせ待っていても殺されるだけです。もしここにヤツラの一体でも来たら、もう死は確実です。なら加勢してでも仲間を援護したい。それで殺されるならむしろ悔いはない」

 国府は目の色を変えた。


「国府さん‥‥」


「棚橋さんと宗宮さんの仇を打ちませんか? 僕もここから絶対生きて脱出したい。妻も待ってる。死をただ待つだけなら1%でも、生きてここから出る確率を上げたい」

「国府さんはメンタル強いなぁ‥‥」

「そんなことありませんよ。死をただ待つのが怖いってだけです」

「俺も棚橋さんと宗宮の死を無駄にはしたくない。もう誰も死んでほしくない。俺の考えは国府さんと合致しています。俺も前を向かざるを得ない!」


 という、ふたりのやり取りがあり、海藤も気持ちを切り替えヤツラに対抗し続けることを選択したのだ。


 ♢


「海藤さん。鮫島さんを助けましょう。あの馬にあそこまで対抗してる鮫島さんは化け物級ですが、非常にまずい状況です。馬は確かにめちゃくちゃ強いですが、なにか動きを封じることができれば‥‥。鮫島さんが馬へ必殺できる状況を作ってあげることができれば‥‥」

 国府は拳を強く握った。


「わかりました。なら不意を突いて馬の両腕を俺らで封じ、鮫島さんに一撃の機会を作りましょう。もうそれしか思いつかない。俺は馬野郎の左腕。国府さんは右腕をがっちり掴んで数秒間でも動きを封じましょう。振り落とされたらゲームオーバーですが、死をただ待つよりマシでしょう」


「いい考えです。チャンスは一回限りですね。鮫島さんを信じましょう」


「国府さん、鮫島さんは馬野郎のあの変な渦巻柄のタトゥーを見て動きが鈍ったように見えました。恐らく、ヤツのあのタトゥーは直視してはいけない気がするんです。そこ気を付けましょう」

「えぇ確かに。了解です」

「走れますか? 国府さん」

「もう走るしかないでしょう」

 国府も自分の怪我をどうこう考えている暇はなかった。


「物陰に隠れながら馬に近づいていきましょう」

「オッケーです」

「いきますよ」

 海藤は低姿勢で歩行スペース逆サイドへ移動した。

 国府も折れた肋骨がズキズキと痛むが、我慢しながら海藤と同様に腰を低くしながら馬へ近づいていった。


 ふたりは忍者のようにスタスタと馬へ近づいていく。

 音を立ててはいけない。馬に気付かれないように身を潜めながら進んでいく。

 


 鮫島は刀を床に突き刺してなんとか立ち上がった。そして、切っ先を馬に向けて構えたが力が入らない。

 斬られた痛みと、馬の呪いのせいで。

 胸からは血が流れ出ている。普通の人間ならすでに死んでいるだろう。

 鮫島は鍛え上げられた強靭な肉体と筋肉の持ち主だからこそ、まだ生きていられるのかもしれない。

「ふん、呪いなんてものは存在しねぇ。所詮お前の自己満だ」


「フハハハハハハハハハハ‥‥ ウゴケナイ オマエ タッテイルノガ ヤットデアロウ ツヨガルナ」

 馬も逆手から、切っ先を鮫島に向けて正眼の構えをした。

 トドメを刺すつもりである。


「チッ」

「マップタツ ニ シテヤロウ」

 馬は今にも走り出しそうであった。


 とその時、

 鮫島は馬の背後にふたつの人影が目に入った。それがなんなのかすぐにわかった。

「なっ!?」(あいつら、どうして‥‥)


「国府さんっ!! 今だ!! 掴めぇぇぇぇ!!」

 海藤が号令の如く叫んだ。

「りょうっかいっ!!」

「お前らぁぁぁ!! 来るなぁぁぁぁあぁぁぁ!!」

 鮫島は叫んだ。


 ――――ガシッ!!


「ナンダ コイツ ラ」

 国府と海藤は馬の右腕、左腕をがっしりと掴んだ。

 両足もしっかりと十字に絡めつけている。

 馬の両腕は一時的に動かせなくなった。ふたりの体重が両腕に重くのしかかり、馬は片膝をついた。


「鮫島さん! 今ですっ!! 首をっ!!!」

 国府も叫んだ。

 こんなに叫んだのはいつぶりだろうか。学生時代の野球部での応援以来か。いや、それ以上の熱量で叫んだのだ。


「お前ら‥‥‥」

 鮫島は目を丸くした。突然の出来事に動揺している。

 しかし、これが国府と海藤が命を賭けて生んだ、たった数秒間だけのチャンスだとすぐに理解した。

 これを逃したら国府も海藤、そして自分自身も死しかない。


「鮫島さん! 早くっっっ!!」

 海藤も叫ぶ。(ぜってぇ離さねぇ)


「お前ら、最高過ぎるぞ。無駄にはしねぇ! うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 鮫島は深手を負った傷、馬の呪縛、疲労など、自分を束縛しているモノ全てを気合で一気に断ち切った。馬を殺すことに全神経を刀を握る右手に集中させた。

 そして、残された力で床を思いきり蹴り上げ、馬の元へ突っ込んでいった。


「ジャマヲスルナァァァ!! ハナセェェェ!! ウォォォオォォォォォォォオォォォォ!!!」

 馬は今にもふたりを振り払う勢いであったが、動きはまだ封じられている。


「お前らぁぁぁあ!! 頭さげろぉぉぉぉおおお!!」

 国府と海藤は目を瞑りながら頭を下げた。

(鮫島さん! 決めてくれぇ)

 ふたりは心の中でそう叫んだ。



「サメジマァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーー!!」



「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーー!!」



 ――――シュパァァァァーーーーーーーッ



 ドスンッ     ごろごろごろ‥‥‥、、、



 馬は首を刎ねられ、頭は吹っ飛んでいった。即死だった。


 プシュゥゥゥゥゥッ!! 


 馬の首から噴水のように血が吹き上がった。


 どさっ‥‥‥


 国府と海藤は、馬の腕を掴んだまま倒れ込んだ。


「はぁ‥‥‥、はぁ‥‥‥、はぁ‥‥‥、はぁ‥‥‥」

 鮫島は刀を床に突き刺しながら、片膝をついて息が上がっていた。


 国府と海藤はそんな鮫島の様子を見て、馬の腕を離して駆け寄った。鮫島の腕を自分達の肩にかけた。

「鮫島さん! 大丈夫ですか!?」

 国府は声をかける。

「あ、あぁ‥‥」

「鮫島さん、やりましたよ。馬を殺しました! やったんですよ」

 海藤も呼びかける

 鮫島の胸に刻まれた大きな刀傷は見るからに痛々しかった。


「はぁ‥‥、はぁ‥‥お前ら、無茶しすぎだろうが」

「ふたりで決めたんです。援護しようって。やれることはやろうって」

 と国府。

「お前らがここにいるってことは、羊野郎は殺したってことか」

「はい。倒しました。八城さんの作戦通りで」

「そうか。よくやった。お前らに礼を言う。ありがとな」

「鮫島さんもあの馬にひとりであそこまで対抗したなんて化け物ですよ」

 と海藤。

「ふ、俺ひとりではヤツを倒すことはできなかった。馬の野郎、俺が今まで闘ってきた奴らの中でいちばん強かった。死を覚悟したくらいだ‥‥」

「いえ、馬は鮫島さんしか食い止めることはできなかったと思います。鮫島さんがいてくれたからこそです。もし鮫島さんがいなかったらって考えるだけで怖ろしいです」

「お前らの勇気ある行動は称賛に値する」

 鮫島は少し口角が上がった。

『ありがとうございます』

 国府と海藤は声が揃った。

「ところで棚橋と小さなお嬢ちゃんはどうした?」


 鮫島の問いに、国府と海藤は俯いた。


「あ、あの、鮫島さん‥‥。あそこのベンチに一旦行きましょう」

 国府は中央エスカレーター下に備え付けられていた木製のベンチを指差してそう言った。

 


第53話へ続く・・・。

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