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「シューベルト、こっちよ」
俺は今日、エルフのミアと一緒に森を散策している。
総力戦をすると決めてから数日、ミアから声をかけてきた。デートをしましょう、と。
確かに以前、エルフの森を案内して貰ったお礼にデートをする約束をしていたのだが、忘れていた。ある程度、メンバーには指針を出しているので、今はそこまで忙しさもない。正直少しだけ怖かったが、了承をした。
彼女が選んだのは、景色がいい場所でピクニックをすることだった。
エルフの民らしく、この辺の森は既に探索済みらしい。人の手が入っていない森は歩きづらいのだが、彼女はスイスイと進んでいく。
「おい、ミア。どこまでいくんだ」
「もうすぐよ」
そういって、彼女は先導をする。あまり拠点から離れると心配なのだが……
彼女が、もうすぐと言ってから5分程歩くと、森が開ける。小川が流れ、日差しが仄かに差し込むその場所は、確かにいい場所だった。
「いいところでしょ。この辺は、小川もあるせいか野生の動物がよく歩いているの。だから道も、そこまで草が生えて無くて歩きやすくなってるわ」
「へえ」
そういって彼女は、持ってきた弁当を広げる。
「さあ、今日はゆっくりしましょう。シューベルトは最近頑張ってるから、たまにはこうして休まないと」
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