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王が、一番に尋ねてきてくれた。


 それだけ信用されているのかと、感動をする。


 やはり妹のゾネを除いて、初めて仲間になったメンバーだからだろうか。今一度、王の一番の家臣は自分ではないかと思わせる。


(この期待に応えねば……)


 王は、とにかく数を揃えるよう通達してきた。つまり解禁だ。


「よし、お前ら。禁欲は今日までだ。羽目を外し過ぎないようにしながら、数を増やすぞ」


 羽目を外し過ぎると、王は嫌がる。特に、不衛生な状態を嫌う傾向が強いので、ある程度節度は必要だろう。


 未だに、律儀に禁欲をしていたゴブリンも多い。彼らはそういう意味で、よく我慢してくれた。


「ドヴェルグが仲間になったことで、武器も質のいいものを揃えられる。出し惜しみは必要ない、じゃんじゃん作って貰え」


 城下町が襲われたことで最近、仲間になったドヴェルグは鍛冶に精通している。積極的な戦闘への参加こそ断られているが、武器の制作など消極的参加をすることは、言質を取っている。


(王へ追い風が吹いている……)


 ドヴェルグが仲間になったことは、王にとって追い風となる。いや、なんなら王自身が、風を起こしているのかもしれない。


 アルノーは王の先読み、天運にブルリと体が震えた。

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