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「アルノー」
あのあと全員と別れ、最初に話をしたのはゴブリン担当のアルノーだ。
「これは王よ。こんなところにどういった用で?」
場所は、ゴブリンの主要メンバーが集まる場所。その場所にアルノー他、主要なゴブリンが集まっていた。
「少し、話をしようと思ってな」
今回の作戦の肝は彼だ。正確にいえば、ゴブリンという数を揃えられるかどうか大事だ。ゴブリンにはできるだけ場を荒らして貰い、敵戦力が集中しないよう錯乱をして欲しい。できれば俺が四芳姿のエッダと戦っている間、邪魔が入らないように。
「王よ。僕は、この地に来て良かったと思っています。自分が必要とされ、自分を必要としてくれる人がいる。何より、自分の気持ちに素直になれたことが一番の成果です」
確かに彼は、この場所に来てトップクラスに性格が変わった人間かもしれない。
「アルノー。俺のために、力を振るってくれるか」
「勿論です、王よ。必ずや、ゴブリン共々、お力になります」
一番重要な説得だったが、一番許可が貰えそうだったアルノーから尋ねたことは良かった。正直にいうと他のメンバーは、もしかすると断られる可能性もあると考えている。そういう意味で、気軽にお願いをすることができた。
アルノーに許可がもらえたことで、他のメンバーの説得にも弾みをつけたい。
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