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「妻のかたき!!!」
「おっと」
農具を振り回し、こちらに攻撃してきた男性を斬り伏せる。これで2回目か。やはり恐怖で縛り付ける形態は、そこまで長く続かなかった。憎しみが恐怖を勝り、こうして襲われることがある。
(うーん、どうしようか)
このまま、放っておくわけにもいかない。何か、いい手はないだろうか。
「王よ、少し宜しいですか?」
声をかけてきたのは、最近魔物化をしたアルノーだ。最近こいつは、俺のことを王と呼ぶのだが、やめて欲しい。
「お見せしたいゴブリンがいます」
連れてきたのは、3体のゴブリンだった。
「王よ、お会いできて光栄です」
スラスラと言葉を発するゴブリンは、魔法使いのような三角帽子をかぶっている。正直似合っていない。
「オウヨ、ワレワレハ、シンカ、イタシマシタ」
少しカタコトで喋るのは、顔の下半分を布で隠したゴブリンだ。その布には何か意味があるのだろうか。
「ガンバル、マス」
ほとんど喋れていないのは、鎧のようなものを着たゴブリンだ。いったいその鎧はどこで拾ってきたのだろうか。
「……なんだこいつらは?」
「はい。どうもゴブリンは、人間を倒すと進化するようです。見てください、見た目も大分変りました」
ジッとゴブリンを見つめる。残念だが俺には、ゴブリンの差が分からなかった。
「左からゴブリンマジシャン、ゴブリンアサシン、ゴブリン戦士と名付けましょう」
「そうか……」
俺には差が分からないから、もう勝手にやってくれ。
「つきましては王に、名前を付けて頂きたく……」
「……アインス、ツヴァイ、ドライだ」
「即決即断、流石です王よ」
ただの数字だ。
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