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「うーん、興味深い」
俺の変化を観察しながら、眼鏡のドヴェルグはメモを取る。
「魔王様の指が5本だから、4本というのはその次の強さだ。人間の竜化だとみんなこうなるのかな、サンプルが少なすぎて分からないや」
「膝を曲げたときに、なんか鱗が少し関節に引っかかるときがあるんだが……」
「人間と竜の骨格が違うから仕方ないね。それでも人間仕様になってるはずだから、まだマシははずだよ。慣れるしかないかな」
「あと、何か少し寒いんだけど」
「それはここが日陰だからだね、日光を浴びて体温をあげるといいよ」
……俺、変温動物になったのか?
「その変温動物というのは何か分からないけど、魔王様もマグマの上に魔王城建ててるだろ。あまりに寒いところは苦手なようだね、その影響かもしれない」
聞いている限り、魔物化のデメリットはいくつかあるようだ。
「その分、皮膚は鋼鉄のように固い鱗が守ってくれてるし、その鉤爪だって下手な剣より強いと思うよ」
この腕を使った、新しい戦い方を覚えないといけないのか。
「お兄様! 私も一緒に練習するので頑張りましょう!」
「ああ……でもゾネは耳以外ほとんど変わってないね」
「そうなんです!」
耳がピクピク動いている。それ本当に聞こえてるの?
「なんでも水の精霊が我儘で炎の精霊に取られないように悪戯したみたいなんです。だから人間の要素が大分残ってしまって……」
そんなこともあるのか。というかそれ誰に聞いたの。
「炎の精霊が教えてくれました」
妹は、人外のものと仲良くなる才能でもあるのだろうか。
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