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体が回復して、ようやく動けるようになった。俺は手術後何日か眠っていたらしく、あの日から既に1週間ほど経っているそうだ。
自分の体を観察する。
体のいたるところに竜の鱗のようなものがついている。吹き飛んだ右手は新しい腕が生えており、腕は完全にドラゴンのそれだった。指は4本あり、先には固そうな鉤爪もある。
残念ながら目は復活していなかった。そして心なしか寒い気がする。
「キヒヒヒ、起きましたか」
眼鏡をかけたドヴェルグが現れる、後ろからは妹も一緒に部屋に入ってきた。
「……ゾネ、なんか耳ついていないか」
俺が、竜人化しておかしくなったかと思い、目をこすってから見てみるが、どうみても妹の頭には犬のような耳が2つ付いていた。
「私も魔物化しました!」
「……そうなのか」
「はい、お兄様が寝てる間にポチのお母さんに会ってきて、そこで魔物にしてもらいました! 凄く大きいフェンリルでした」
「そうか痛くなかったか?」
「モフモフでした!」
なんだろう、少しだけ理不尽な気持ちになった。
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