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「さようなら」


 そういって彼女は家から出て行った。


「……」


(まだ何も言ってないのに、振られたんだが……)


 俺は少なからず彼女のことを好いていた。だからこそ毎日のように食事にも誘っていた。それに応えてくれていた彼女も少なからず意識してくれていたと思ったが、今スッパリと振られた。


 やはりこの前の安易な発言が致命傷になったか。


「……はあ」


 失恋というのは、いくつになっても心に来る。ポケットに彼女から貰ったシルバーの時計を入れる。


 本当は明日、街を出ていくつもりだったけど、今日出よう。


やっぱり学生はダメだ。

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