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「ということで付いてきちゃった同室のコリンナです」


「……コリンナです。こんにちは」


「ああ、どうも……こんにちは」


「まさかモニカが男と会っているなんて……」


「ちょっと! 変な言い方しないで! すいません、シューベルトさん……」


「ああ、いいよいいよ」


 話してみて驚いたのだが、アカデミーにいる女の子は研究畑の人間が多く、今まで出会ったことのないタイプが多い。その中でもこのコリンナという女性は初めて見る。ふわふわ系女子というやつだろうか。天然でやっているなら大したものだ。


 そんなふわふわ系女子がこちらをジーっとみている。


「……なんだ?」


「お兄さんからはお金の匂いがする」


 嗅覚も大したものだった。


「すいません、また奢って貰って……」


「ああ、いいよいいよ」


 コリンナはハグハグとヴルストを貪る。なんだろう、ご飯でも抜いていたのだろうか。3人分のヴルストを食べ終えようやく満足したのか、ようやく手が止まる。


 手が止まったタイミングで聞きたいことがあったので質問をする。


「精霊ですか?」


「ああ、エルフと話す機会があってな。その時に言っていたのが、エルフは風の精霊と契約しているらしい」


「それは初耳ですね。誰か知り合いに、精霊について知っている人がいないか聞いてみます」


「ああ。良ければ聞いてみてくれ」


「はい。もし見つけたら、またお伝えしますね」

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