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次の日も図書館へ向かう。
読む本を探していると、昨日の少女がこちらに気づき手を振ってくる。手を振り返し、適当な本を見繕って近くに座る。
「なに読んでるんですか?」
「えーっと、この辺の地理について載っている本。だな」
この国は首都を中心に、外側へ広がっていく都市体系を取っている。西に向かっていくと海が広がっており、北側には山岳地帯があり、かつては活火山もあったそうだ。
「そういえば君は、何を研究してるんだ」
「ふふん、良くぞ聞いてくれました。私はアレです!」
そういって指さした方向は、街中央にある時計塔だ。
「時計塔?」
「はい。正確には時計の小型化を研究しています!」
この街に来て一番最初に驚いたのは、この時計塔の存在だ。この国にも時間という概念が存在しており、住民はあの時計塔の時間を参考にして活動をしている。
その時計を小型化?
「腕に巻ける時計でも作るの?」
「そこまで小さくは出来ないですよ……精々手のひらサイズくらいです」
それでも十分凄いのではないだろうか。懐中時計みたいな感じだろうか。
「へぇ。じゃあ出来たら俺も1個貰おうかな」
「ダメです! 貴重な研究材料ですから。量産できるようになったら買って下さい」
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