第四章
84:第四章
昼の陽気が窓から差し込む。室内は適度に喚起がされ、過ごしやすい温度を保っている。
学術都市には図書館があり、お金を払えば誰でも本を借りることができる。図書館の横には読書をするのに快適なスペースがあり、優雅に本を楽しみながら過ごすことができる。
まず最初に借りたのは、この国の歴史書からだ。歴史を紐解くことで、どこかで精霊についての記述を見つけることができるかもしれない。
そう思い本を読み漁る。
この世界に来てあまり活字に触れることがなかったため、いつの間にか没頭して読んでしまった。残念なことに目的のものは見つけられなかったが、落ち着いた良い時間を過ごせた。
ふと隣の席をみると、前世でいう制服を着た少女が本を枕に昼寝をしていた。
「スー、スー、スー」
その少女は気持ちよさそうに寝ている。本の保存のために適度な温度が保たれた部屋は、寝るのに最適だった。
(あ――)
よだれが……
このままだと本の取返しがつかなくなるかもしれないと思い、声をかける。
「おい、お前。おい起きろ!」
肩をゆすりながら声をかける。
「ん、あー。」
寝ぼけながら目を覚ました少女は、こちらに気づく。
「うひゃああああああ! な、なんですか!?」
「いや、本によだれが……」
「え、あああああ! まずい! どうしよう!」
それが彼女との出会いだった。
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