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目を覚ます。
そこはよく見る、前線キャンプの天井だった。あたりを見渡すとかつての仲間がいた。
「あら、おきたねミア」
「ええ……少し体が痛いけど」
左わき腹あたりが少し痛む。
「そりゃあ、あんた見たわよ。目に矢を刺したんだから殺されなかっただけマシでしょう」
そう私は彼と死闘をした。2射も打ち込んだのに彼は構わず前に出てきて、私を打ち付けたのだ。
「凄かったわ、彼」
男性とは思えないほど彼は強かった。今まで生きてきた中で、彼ほど強かった男性がいただろうか。
あの瞬間、彼と向き合って死闘をしている瞬間。私は確かに、以前の彼の死に際に近いほどに興奮を感じた。それは新しい感覚だった。
「また、彼と戦いたいわ」
「はぁー……残念なことに彼は貴方に愛想がつきて、貴方を捨てて旅立ったわ。行先は知らない」
「……そう」
お前にはついてはいけない。と言われ、男に捨てられるのは慣れている。ただそれでも彼に捨てられたことは少なからずショックを受けた。
「はあ、彼なら私の全てを受け止めてくれると思ったんだけど……」
何がいけなかったんだろうか。次は失敗しないように気を付けないと。
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