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 ガタリ、ガタリと馬車が音を立てながら移動する。


「お客さん、もうすぐ着くよ」


 御者に声を掛けられ、顔をあげる。そこには都市が広がっていた。


「ここが学術都市か……」


 そこは、この国の最高峰の頭脳が揃っている場所と言われている。


 前線から離れ俺は、精霊についてもっと深く知るべきだと思い、学術都市を訪れることを決めた。


 そこから馬車を乗り継いでようやく到着した都市は、いくつかみた都市の中で一番栄えていた。


 前線都市では酷い目にあった。左目は残念なことに何も見えなくなってしまった。学術都市で何か目に変わるものも見つけないと。


 彼は願う。どうかこの都市では女運がありますように、と。

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