先輩とヤキモチ

 どこへ行くか決まっていない俺たちは取り合えず一番栄えている駅前に行くことにした。

 なので、今は電車でそこへ向かっている所だ。

 ちなみにちさとは疲れていたのか眠ってしまっている。

 ふと、LINEを開いてみると七海先輩からメッセージが届いていた。

 おそらく心配させてしまったのだろう。

『何かあったの?』

『はい。色々とありまして...』

『そっか。何か力になれそうな事があったらいつでも言ってね?先輩、飛んでいくから』

『はい。その時は頼らせて頂きます』

 今回の件に限ってはちさとディープな問題があるので中々具体的な相談は本人の許可なしに難しいがもしもの時は頼らせてもらうことにした。

『それはそうと可愛い女の子と学校抜け出すって青春ですねいいですね。』

 流石に文脈からみてふざけているのだろうが、少しトゲがある気がした。

『青春なんですかね?』

『青春だよ~はあ。私には君くらいしか友達いないのに、君はその青春パワーでどんどん可愛い彼女作っちゃうんだ...』

 というか、今授業中だよな?

 正直、授業中に後輩の男子とLINEしてるのも状況だけみれば青春してるように見えるだろう。

 まあ、その相手が俺な時点で青春ではなくなるのだが。

『人をチャラ男みたいに言わないでくださいー』

『ごめんごめん。今日は君をからかう時間あんまりなさそうだし、ついね?』

『ついじゃありませんよ!もう』

 でも、これで少しリラックスできた気がする。

『...今日さ、晩御飯も外で食べるの?』

『流石に、それまでには帰るかと』

 現在は午前9時35分。

 流石に夜まで歩き回るには疲れるだろうし精々夕方くらいまでだろう。

『そっか。ならさ、うちでカレー作って待ってるね?』

 カレーという所が実に七海先輩らしいが、これでより頑張れる気がした。

『ありがとうございます!』

『いえいえ、それじゃ流石に怒られそうだから授業戻るね?』

『はい!お時間作ってくださりありがとうございました』

 トークが終わり、スマホで現在地を確認してみると目的地の一つ前の駅を今、出た所だった。

 ギリギリだとバタバタしそうなので、もうちさとを起こすことにした。

「起きろー」

「むにゃ」

 現実世界の人間でその効果音出す人初めて見た。。。

「おーい」

「.......ううう。あれ...?もう着いたの?」

 ちさとの目はまだ半開きという感じで少し辛そうだった。

 朝は弱いタイプなのだろうか。

「ああ。あと、数十秒でつくな」

 ということで、俺とちさとのサボりが今本当の意味で始まったのだった。



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