友達と不安


「...なーんでこうも弱いのかな」

 あれから家に帰宅した私は一人部屋で涙を流していた。

 いくら止めようと思っても涙は止まってくれない。

「当たり前の事なのに...!」

 陽大が初めてだった。

 昔から友達は多い方だったが、陽大が初めて私をちゃんとメリットとか利益なしで仲良くしてくれたのだ。

 私だって、他の人だって自己保身の為に詭弁を言って見せるし、平気で人を傷つける。

 でも、彼は違った。

 彼は自分に不利益しかなくても、私の為に色々としてくれたし、私にお返しもさせてくれた。

 だが、陽大はいくら私が友達と思っても異性なのだ。

 前みたいに、いずれは彼女が出来て今まで通りにはいかなくなると分かっている。

 でも、どうしても飲み込みきれないのだ。

「...本当に嫌だ」

 この前だってそうだ。

 彼が彼女と別れて、私と二人であいつらと縁を切った時も。

 ...私は嬉しかったのだ。

 余計で無駄で邪魔くさい彼女や男友達共が消えてくれた。

 これで、彼を独占できると。

 一生、友達でいられると本気で思ったし、嬉しかった。

 ...だから、これはバツなのかもしれない。

 醜く、弱く、哀れな私に神様がお怒りになったのだろう。

「.........」

 これから、私はどう生きていけばいいのだろうか。

 何に縋っていけばいいのだろうか。

 何を頼りに何を目的に何を生きがいに息を吸えばいいのだろうか。

 私は漠然とした恐怖に包まれながら、眠りについたのだった。



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 ちなみに今日は二話投稿したので、↓で次話読んでくださるとありがたいです




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