先輩との馴れ初め
友達と彼女持ち疑惑
七海先輩の家に居候することになって一週間が経った。
宣言通り家事の分担は平等というか金銭的負担具合からも俺が主にやっているので、多少の罪悪感はあるものの心中平和に過ごせている。
「彼女できたしょ?」
昼休み、ちさとと昼食を取っていたら不意にそんなことを言われた。
「は?誰が」
「陽大に決まってるじゃん」
女心のの「お」の字もわからず、彼女にフラれた俺にこんな早く彼女が出来るわけがない。
というか、そんな早くできていたらこうしてわざわざ、ちさとと飯なんか食っていないだろう。
「どう考えても女出来てるじゃん?」
どう考えれば、そうなるのか俺には分からない...
「ほら、この前ネカフェという名の男友達の家に泊まったとか言ってたじゃん」
この前の俺、無茶苦茶過ぎるだろ!?
まあ、それだけ必死になっていたという事だろう。
「ああ、言ってたな」
「でも、男友達も失恋と共に消えたじゃん?」
「......確かに元カノとあいつが付き合い始めてLINEで嫌味言ってそれっきりだな」
昔、というか数カ月前まではちさとと元カノ、それと男友達二人の計5人でよくつるんでいた。
「で、その時に私もムカついたから陽大と一緒に縁切ったじゃん?」
「うん。そうだね。その節はどうも」
「で、陰キャコミュ皆無くんに他に男友達なんて居るわけないじゃん?」
「言葉の暴力えげつないけど、まあそうだね」
悲しきかな、否定したい所ではあるが真実なのでどうしようもない。
「ってことは女じゃん?」
「なんでそうなるんだよ!?」
「っていうか、若いおなごの匂いするし」
確かに七海先輩と同じ洗剤やら何やらをを使っているので、それが原因だろう。
「お、おばさんの匂いだよ」
流石に七海先輩の名誉の為にもバレるわけにはいかない。
「えっ?そんなババっちい匂いしないよ?」
「お前は一回、あの人に謝ってこい!?」
ナチュラル失礼である。
「そんなに頑なに否定するってますます怪しいですなー」
「怪しくねーよ。ってかもう昼休み終わるぞー自分の席に戻った戻った」
ちさとはジト目で俺を見つめながら自席に戻っていった。
......この時の俺は数時間後あんな修羅場が待ち構えているとは知るよしもなかったのだった。
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