七海先輩とお風呂上り

「お風呂使わせて頂きありがとうございました」

「ぜ、全然大丈夫だけど...やっぱそれだと寒いよね...?」

 高田さんが今日は日帰りで来ているという事もあり、七海先輩のお宅にお邪魔していたのだが下校中突然、土砂降りに襲われ俺はお風呂を借りた。

 ちなみにズボンなどの下半身は無事だったのだが、上半身は制服がびしょ濡れで七海先輩の服も着れそうにないので、俺はタオル一枚羽織るだけで何もきていない。

「だ、大丈夫ですか?」

 普段は何でも完全無欠完璧超人なイメージの七海先輩だが、今は視線を右往左往とさせ落ち着かない様子だ。

「ふ、不快ですよね」

 別に対した身体してない上半身裸の後輩が自分の部屋に居るのだ。

 それは七海先輩からしたら、地獄だろう。

 というか罰ゲームもいい所だ。

「...だ、大丈夫!寧ろ、君の身体好きだよ」

「語弊のある言い方やめてください!?」

 まさか、状況が状況と言えこんなこと言われると思わなかった。

そういった意図はないと分かってはいるが心臓に悪い。

「....ごほんっ!ごめん。先輩としたことが...」

「あー、いえ俺こそすみません」

先輩は一切悪くない。

そりゃー恋人でもない男が部屋に居ればそうなるだろう。

「ううん...!だ、大丈夫...!」

なんて言っているが俯いて目を瞑っていて大丈夫そうにはみえない。

「そ、そういえば明日も高田さんくるんでしょ~?」

余程、この空気感が辛かったのか先輩はわざとらしく話題を変えてきた。

そして、縋る様な瞳で俺を見つめてくる。

「は、はい。なのでまらお邪魔します。あっ...そ、そうだ!明日は俺が飯作りますね」

「あ、ありがとー!!!」

ということで、若干気まずくなりながらも明日も七海先輩の家にお邪魔することになった。

今までも、高田さんが来るたびに名七海先輩の家にお邪魔していたので、腕にふるいを掛け作らなければいけないと再度思ったのだった。


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