第6話 思ったことが自動的にかなうのは、見えない腕がふるわれているようなもの

 ムッとすることがあって、心の中で「ハゲろ!」と思っただけで実際に相手の髪がなくなる。

 うるさい女子の口が閉じればいいのに、と思えば、女子の口がはりついてはがれなくなる。


 俺はすっかり、素直に思うことがこわくなった。


 意識して平常心を心がけていても、聖人君子でもない、ただの男子高校生が心を乱さないわけがない。


 それでもどうにか平静を保とうとしていたけれど、ついにキレた。


 俺が一人で耐えるのおかしいよな?

 みんな同じ思いをすればいいんだ!


 瞬間、世界はぬり変わった。

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