第2話
『配信鬼ごっこ、はっじまるよ~!!』
イヤホンからは、心の底からワクワクが止まらないって感じの声が聞こえる。
よし、感度は良好。
私はスマホをコートの内ポケットに滑り込ませた。イヤホンを隠すために、上からイヤーマフラーを付ける。
イヤホンを付けてると、配信を聞いてる人である確率が上がるからね。同じような格好の人は何人も見たけど、念には念のため。
『今日、参加してくれるのは、にe……』
自分の名前(もちろん配信に使う名前であって本名ではない)が呼ばれる。
この瞬間で、一気にワクワクしてきた。
これから始まるのは、リアルなフィールドを使ったゲーム。
画面の向こうにいる時じゃ味わえない、この全身の血が熱くなって爆速で巡る感覚。思わず口がニヤけちゃう。
おっと、ダメダメ!!鬼の話を聞き逃しちゃうっ。
私は頬を軽くパチンパチンとした。
『まぁ…ホントのーーーー』
…そっかそっか、鬼がウソをつく可能性もあるんだね~。
私は事前に入手しておいたこのビルの案内マップをガサゴソ広げた。
この建物は、真ん中が最上階まで吹抜けになってる。上から見下ろせば、ほぼほぼ全体が見渡せる。
だったら、鬼の位置を把握しつつ逃げれば問題無いねっ。
私はキョロキョロしながら、上りエスカレーターの方へ向かった。
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