国家魔法師のお仕事
「やっぱり、広いなあ。王都は」
部屋に戻ってきた私は買ってきたものを置いてベッドに腰掛けた。そうして軽く息を吐く
。
王都はやはり人がたくさん集まっているため、様々なお店が大量に出店していた。日本の都市とこの世界の都市を比べるのはナンセンスかもしれないけど、私は王都は日本の都市に負けないくらい立派なものだと思った。
そのおかげで午前中はまるまる潰れてしまったが。
(ここで生活していくんだからお店やいろいろな場所について覚えないと)
ベッドに寝転がった私は天井を見上げ、これからの予定を考える。
「お金もちゃんと稼いでいかないと」
そうなのだ、生活のためにもお金は絶対に必要になってくるため早めに稼いでおかなくてはならない。
「よし、この後は依頼を受けに行こう」
国家魔法師としての仕事に受付に申請されている依頼を受けると報酬が払われるのは前述した通り。この報酬は結構支払いがいいのだ。
思い立ったなら行動は早いほうがいい。私は少し休んだ後、受付に向かった。
受付には一人の女性がいた。無表情でクールなこの人、仕事は凄くできて私も信頼しているがちょっと雰囲気が怖かったりする。
彼女は私を見つけるとじっと私を見つめてきた。悪意がないのは分かっているが少し緊張してしまう。
「あの、すいません」
「なんでしょうか?」
受付の女性は淡々とした声で私の質問に答える。その無機質な声は日本の街に溢れていた機械音声を私は思い出した。
「ここに張り出されている依頼を受けてこなせば報酬がもらえるということでよかったでしょうか?」
「はい。キリカ様ですよね? この前ここに来られた。初めてここを利用されるのですか?」
「はい、依頼をこなして報酬をもらいたいので」
「かしこまりました。とりあえず今出ている依頼はこちらになります」
彼女はそういうと私に何枚か紙を見せてくる。これが今ここで受けられる依頼のようだ。
「よし、とりあえずまずは単純な依頼を受けよう。この魔物討伐とか」
私はしばらく考えて魔物討伐の依頼を受けることにした。ロディア領でもヴィクトールさんに連れられて魔物討伐は何度もこなしていた。慣れたことから始めるのが一番と考えてその依頼を選んだ。
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