人間草という珍しい設定と、物語を織り成す個性豊かな登場人物が魅力的な作品です。

また伏線の使い方がとても上手く、私もすっかり騙されてしまいました。
詳しく言うと読者様の楽しみを奪ってしまうので口を噤んでおきますが、とにかく怒涛の展開と終盤の種明かしが素晴らしく、思わず興奮の歓声を上げてしまいました。

ダークな雰囲気がお好きな方だけでなく、誰彼にも勧めたくなるとても素敵な作品です！

まず特筆すべきは、2万文字以内で話の展開やキャラクターの心理がしっかりと完結していることだと思います。全てを語ったり説明するのではなく、少ない情報から読者に想像させる終わり方は絶妙だと感じました。
命の使い方や、愛情表現がダークな世界観とマッチしていますし、バトル描写も少ない手数を活かしきって闘い抜けている事から、決して大きくない作品の中で登場人物がしっかりと躍動していることを感じ取れました。

この作品の世界観を活かした別作品が続くとよいなと思える作品です。