1,「不思議な出会い」

気付けば見知らぬ街並み。


「ここ、どこだ?」


照士は追手がいないことを確認すると、一度足を止めた。


しまった、知らない場所だ。どうやって家に帰ろうか。


「とりあえず、誰かに聞くか」


照士はやれやれと言った様子で、自分の頭をがしがしと掻いた。


しかし、時間も時間だ。辺りを見渡しても、誰もいない。

少し歩くと、堤防に出た。

河川敷に座り込む茶髪の男がいた。

歳も照士と同じくらいに見える。

仲間だろうかと、照士は思わず彼に近寄った。


「よう」

「ん?」


自分なら、あ? と鋭い目つきで返すところだ。一方彼は優しそうな印象で落ち着いている。


道を尋ねやすいが、仲間では無さそうだ。


嬉しい反面、残念でもあった。


「あの、ここって」

どこですか? と続けようとして、彼の驚いた声にかき消された。

「君、人間じゃないか!」


「は?」

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