第10話 茜雲



空一面の青が

白い雲に覆われて行き

目の前の林道の景色が奪われていく

更に雲の色が変わっていく時


秋はいつの間に去っていったのだろうか?


訝しげにシートに跨り

ヘルメットのシールドを少し上に上げ

冷たい風に吹かれながら

走らせる二輪から見る赤い空が

気持ちに暖かみを加えてくれる頃

仕事帰りの疲れた体に

秋は未だ去っていないと

教えてくれる燃える空があった

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