第4話 白と赤と

まだ暗い朝に耳をすませば

やがて白んでいく空の下

鉄道の響く音が聞こえる


誰もが眠っているだろう

休日の早い時間

気を遣いながら二輪のエンジンを回す


そっと街道へと出ると

街は少しづつ目を覚まし出す


急がずとも良い

林道へ入れば速度を落とし

足をすくわれれば間違いなく横転する

枯葉舞い散る赤い道


目の前にあるのはぐねぐねと

ねじ曲がったように奥へと進む私の道


誰にも会う事のない此の道に

夕闇が訪れる頃には

祭囃子が響き出す私の帰り道

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