第5話 役立たず
書斎の中に
一匹の蟻が入って来たようだ
私の食べ残しであろう
小さな糧を運んでいた
彼は何処へ運ぶつもりなのだろうか
この小さな書斎の
彼にとっては大きな空間であろうこの中で
その糧を何処へ運んで行くのだろうか?
それは
冬支度をする小さな命
此の部屋で行く当てもなく
途絶えてしまう命
私は
既にその小さな蟻を見失い
相変わらず
少し開けた窓から忍び込む冷たい空気を吸いながら
心ばかりを動かすだけの
それ以外には何も役に立たない本を読み
自分自身を探している
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます