第2話 旅の宿
強い風が吹く
轟という音を立てて
神無月に吹く風は
神在月の出雲の国へ走る牛車の音か
風に揺られる髪は
風に揺られる思いに似て
胸を突き抜ける風に思いを乗せて
運ばれる思いは神秘の国か森羅万象か
幻を見たような風に吹かれて
此の旅の思いが
宿の背後の森が唸ってくれる叫びが
不安どころか
安心感を与えてくれるのは
異郷の土地の力なのか
郷愁なのか
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