観察手記と日記帳 Ⅴ

【科学者の観察手記】



 被験生物の記録 №9


 紅茶を淹れるために砂時計を使っていたら、テップが興味を示し砂が落ちるまでじっと見ていた(多分)。

 今度は振り子時計の前にでも置いて観察してみるか。

 他にも、動くもの、それと音に反応するか見てみよう。


 そういえば、長いこと研究室から出ていない気がする。

 明日久々に出てみるか。


 ◇◆◇◆


【弟子の日記】



 六月十六日


 先輩がテップをモデルに、小説を書き始めた。

 宇宙神話がテーマの幻想小説らしい。

 先輩は多才だから、きっと文学の方でもその才能を発揮し、多くの人々に賞賛されることだろう。

 

 口にはしないものの、先輩は外に出たいようだ。

 中庭を時折眺めて何かを考えている。

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