観察手記と日記帳 Ⅳ

【科学者の観察手記】


 被験生物の記録 №7


 日中は活動的だが(まぁナマケモノのように基本はゆっくりとしか動かないが)、夜は眠っているのか動いた形跡が全く無い。

 躰の表面に触れてみるとひんやりとしており、感触は蛇の皮膚のようにさらさらしている。

 当初は何かの幼虫かと思ったが、もしかすると爬虫類や魚類と同じ変温動物、なのだろうか。

 ……こらこら、薬品の瓶の上で寛ぐんじゃない。



 ◇◇



【弟子の日記】



 六月十四日


 テップは人の言葉をある程度理解しているのかもしれない。

 瓶の上で寛ぐなと先輩に怒られてすぐに下りようとしているように見えた。

 でも慌てていたのか滑ったのかは分からないが、落ちてひっくり返っていた。


 夕方、ちょっと目を離した隙に研究室の隣の中庭に行っていて焦った。

 他の研究室とも繋がっている、カーテンは前に閉めておいたから中の様子は分からないようになっているけれど、先輩は勘が鋭い。

 気を付けないと。

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